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2012年01月06日

独学院 手形判決から

おはっす、参りましょう。

<手形判決>

 手形訴訟の終局判決を手形判決という。

(1)訴え却下判決

 請求の全部または一部が手形訴訟による審理及び裁判をすることができないものであるときは、裁判所は、口頭弁論を経ないで、判決で訴えの全部または一部を却下することができる。この判決に対しては、控訴することができない。手形訴訟の迅速な解決を図ろうとするものである。
 また、一般の訴訟要件が欠缺するときも、訴え却下の判決がなされるが、この判決に対しては控訴することができる。

(2)本案判決

 手形訴訟における請求を全部又は一部を認容する判決、又は棄却する判決を本案判決という。この判決に対しては、異議を申し立てることはできるが、本来的な上訴である控訴をすることは認められていない。やはり手形訴訟の迅速な解決を意図したものである。

●手形による金銭の支払請求を認容する手形判決については、職権で仮執行宣言を付さなければならない。

<解説>

 手形又は小切手による金銭の支払の請求及びこれに付帯する法定利率による損害賠償の請求に関する裁判の認容判決については、裁判所は、常に職権で、しかも、原則無担保で仮執行することができることを宣言しなければならない。
 仮執行宣言とは、未確定の裁判に執行力を付与するものであるが、手形訴訟は手形債権の簡易・迅速な実現を目的とするものであり、仮執行宣言の付与はその趣旨に合致するからである。

●原告の請求を棄却した手形訴訟の終局判決に対しては、控訴をすることができない。

<解説>

 手形訴訟においては、本案についての終局判決に対しては、異議を申し立てることはできるが、控訴をすることができない。
 手形訴訟は、手形債権の簡易迅速な回収を図るための制度であるが、手形訴訟の終局判決に対する控訴を認めることは、一般に訴訟の複雑化・長期化をもたらし、手形訴訟を設けた趣旨を没却させてしまうからである。

●手形訴訟に関し、請求が手形訴訟による審理及び裁判をすることができないものであることを理由として、訴えを却下した判決に対しては、控訴することができない。

<解説>

 請求の全部又は一部が手形訴訟による審理及び裁判をすることができないものであるときは、裁判所は、口頭弁論を経ないで、判決で、訴えの全部又は一部を却下することができる。そして、この場合の訴えを却下した判決に対しては、控訴をすることができない。手形訴訟の迅速性を確保するためである。

<通常訴訟手続への移行>

 法は、手形訴訟を第1審のみの特別手続としており、通常手続への移行は第1審係属中に行われることになる。これには(1)手形判決前の移行と(2)手形本案判決後の移行とがある。

(1)手形判決前の移行

 原告がいったん手形訴訟を選択しても、口頭弁論終結前であれば、いつでも訴訟を通常の手続に移行させる旨の申述をすることができる。この場合、原告の意思だけで足り、被告の承諾を必要としない。
 原告の通常手続への移行の申述があると、訴訟は直ちに通常訴訟に移行する。

(2)手形本案判決後の移行

 略式訴訟である手形訴訟においては、手形訴訟の本案判決に対して当事者に異議を申し立てることを認めて、通常訴訟による審理を受ける機会を保障する必要がある。そこで法は、訴えを却下した判決を除く手形訴訟の終局判決において、全部又は一部敗訴した当事者に対して異議を申し立てることを認めた。
 異議は、判決書等の送達を受けた日から2週間の不変期間内に、その判決をした裁判所にする。異議の申立ては書面でしなければならない。
 適法な異議があったときは、訴訟は口頭弁論終結前の状態に戻って、通常の手続により審理が行われる。

<通常訴訟手続への移行の(新)判決>

 手形訴訟の判決に対して、適法な異議があったときは、訴訟は口頭弁論終結前の状態に戻って、通常の手続により審理が行われる。この通常手続による裁判の判決が、手形訴訟の判決と符合する場合、裁判所は、手形訴訟の判決を認可しなければならないとされている。ただし、手形訴訟の判決の手続が法律に違反すると判断した場合、及び通常手続による裁判が手形判決と判断を異にする場合は、手形訴訟の判決を取り消さなければならない。
 この通常手続に移行した異議審の終局判決に対しては、控訴することが可能である。なぜなら、手形判決の意義審は、通常訴訟の手続によるからである。
 なお、通常訴訟手続への移行の裁判は、当事者の一方が通常訴訟移行後の最初の口頭弁論期日に不出頭した場合のいわゆる陳述擬制の規定が適用されないと解されている。

●手形訴訟の原告は、口頭弁論の終結に至るまでの間、いつでも、被告の承諾を得ないで、訴訟を通常の手続に移行させる旨の申述をすることができる。

<解説>

 手形訴訟における被告は、口頭弁論の終結に至るまでに、被告の承諾を要しないで、訴訟を通常の手続に移行させる旨の申述をすることができる。
 手形訴訟という特別の訴訟手続を選択するかは原告の意思に委ねられている。しかし、いったん手形訴訟として訴えを提起した後に、通常訴訟による審判を希望する事態が生じることもある。そこで、原告が口頭弁論の終結に至るまでの間に、通常訴訟に移行させることができるとしたのである。

●手形訴訟に関し、原告が訴訟を通常の手続に移行させる申述をするには、被告の承諾を得る必要はない。

<解説>

 手形訴訟において、原告は、口頭弁論の終結に至るまで、訴訟を通常の手続に移行させる旨の申述をすることができる。この場合、被告の承諾は不要である。被告としても、通常訴訟の手続に移行した方が、証拠調べが書証に限定されている等の制限の多い手形訴訟よりも、防御がやりやすくなる利点がある等、被告の承諾を不要としても特に不合理な結果をもたらすとはいえないからである。

●手形訴訟の終局判決に対する異議の申立ては、書面でしなければならない。

<解説>

 手形訴訟の終局判決に対しては、訴えを却下した判決を除いて、判決書又は判決書に代わる調書の送達を受けた日から2週間以内に、その判決をした裁判所に異議を申し立てることができる。
 そして、手形訴訟の終局判決に対する異議の申立ては、書面でしなければならない。これは、書面化することにより訴訟関係を明確化して、後日の紛争を防止しようとするものである。

●手形訴訟の終局判決に対する異議は、通常の手続による第1審の終局判決があるまでは取り下げることができる。

<解説>

 手形訴訟の終局判決に対する異議は、通常の手続による第1審の終局判決があるまで、取り下げることができる。通常訴訟手続による第1審の終局判決があると、異議申立ての目的は達成されるので、その後は手形訴訟の終局判決に対する異議の取下げを認める余地がないからである。

●手形訴訟の判決に対する異議の申立ては、相手方の同意を得なければ取り下げることができない。

<解説>

 手形訴訟における異議は、通常の手続による第1審の終局判決があるまで、取り下げることができる。この異議の取下げは、相手方の同意を得なければその効力は生じない。これは、適法な異議があると訴訟は口頭弁論終結前の程度に復し、通常訴訟手続に移行することから、相手方にとっても通常訴訟手続で手形判決を自己に有利に変更してもらうという期待があるからである。

つづく・・・
ラベル:民事訴訟法
posted by 94条2項の類推適用されずじまい at 12:07| Comment(0) | 民事訴訟法 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2012年01月05日

独学院 手形・小切手訴訟手続から

さあ、参りましょう。

<手形・小切手訴訟手続>  手形・小切手訴訟手続 音声.wma

 手形・小切手制度においては、高度の流通性と簡易・迅速な決済が求められる。そこで、手形・小切手債権の取立てを目的として、特に簡易・迅速な事件処理を目的として認められた訴訟手続が、手形・小切手訴訟手続である。

 すなわち、手形・小切手は、金銭支払いや信用の手段として利用されているので、期日が到来すれば迅速に支払われるという確実な制度的保障がないと、存在し得ない制度である。そこで、手形・小切手債権の簡易・迅速な回収を図るために、特に手形・小切手訴訟手続という略式訴訟手続を設けたのである。
 法は、手形訴訟について規定を設けて、小切手訴訟にこれらの規定を準用するという形をとっている。

<手形訴訟の提起>

 手形訴訟による審理及び裁判を求めることができるのは、手形による金銭の支払の請求及びこれに附帯する法定利率による損害賠償の請求を目的とする訴えに限られる。

 原告となる手形債権者が、手形訴訟を求める場合には、訴状に、手形訴訟による審理及び裁判を求める旨の申述を記載しなければならない。
 手形訴訟における管轄裁判所については、原告である手形債権者は、被告の住所地のほか、手形・小切手の支払地を管轄する裁判所にも訴えを提起することができる。この場合、訴額に応じて、地方裁判所又は簡易裁判所が管轄する。

●手形訴訟による審理及び裁判を求める旨の申述は、訴状に記載していなければならない。

<解説>

 手形訴訟による審理及び裁判を求める旨の申述は、訴状に記載してしなければならない。手形訴訟は、通常訴訟とは異なる特別の略式手続であり、そのどちらを選択するかは重大な事項であることから、訴状に記載してその意思を明確にしようという趣旨に基づくものである。

●手形債権の不存在確認を請求の趣旨として、手形訴訟を提起することはできない。

<解説>

 手形による金銭支払いの請求及びこれに附帯する法定利率による損害賠償の請求を目的とする訴えについては、手形訴訟による審理及び裁判を求めることができる。手形債権の簡易・迅速な回収を図るための制度である手形訴訟の趣旨から考えると、手形訴訟として提起できる訴えは、同条同項に規定されている訴えに限定されているといえる。
 したがって、手形債権の不存在確認を請求の趣旨として、手形訴訟を提起することはできない。

<手形訴訟の審理手続の特則>

 手形訴訟による訴えが提起されたときは、裁判長は、直ちに口頭弁論期日を指定し、当事者を呼び出さなければならない。そして、弁論は、第1回期日に終結しなければならない。口頭弁論の期日を変更し、又は期日を続行するときは、次の期日は、やむを得ない事由がある場合を除き、前の期日から15日以内の日に指定しなければならない。

 また、証拠調べは、原則として、書証に限られる。通常の訴訟手続のような文書の提出命令や送付の嘱託によることはできない。手形訴訟手続の簡易・迅速性を確保する趣旨である。したがって、当事者は自らが所持する文書のみを証拠となしうることになる。
 ただし例外として、文書の成立の真否又は手形の提示に関する事実については、申立てにより、当事者本人を尋問することができる。
 反訴の提起による手続の複雑化と遅延を避け、手形訴訟の簡易・迅速性を確保するために、手形訴訟においては、反訴を提起することはできない。

●手形訴訟においては、手形債権の存在を立証するために文書提出命令の申立てをすることができない。

<解説>

 手形訴訟においては、証拠調べは、書証に限りすることができる。手形を所持する者が手形上の権利を有している蓋然性は極めて高い。そこで、手形を所持する原告が、その手形を書証として裁判所に提出して、請求原因事実を容易に立証できるようにして、手形訴訟を簡易・迅速に処理できるようにしたものである。
 加えて、文書の提出命令又は送付の嘱託はすることができない。すなわち、書証の申立ては、自らその文書を提出して行わなければならない。文書提出命令や送付の嘱託をすることは、時間がかかり、手形訴訟手続の簡易・迅速性を害するからである。

●手形訴訟においては、反訴を提起することができない。

<解説>

 手形訴訟においては、反訴を提起することができない。手形訴訟という特別の訴訟手続が設けられたのは、手形上の請求権を簡易・迅速に実現するためであるが、反訴の提起を認めることは、一般的に訴訟手続を複雑・長期化させ、簡易・迅速性が強く要求される手形訴訟を認めた趣旨に反することになるからである。

●手形訴訟において、当事者が手形振出しの原因関係に関する事実についての証人尋問の申立てをした場合、証拠調べを行うことができない。

<解説>

 簡易・迅速な事件処理を強く要求される手形訴訟においては、証拠調べは、書証に限りすることができるのが原則である。ただし例外として、文書の成立の真否又は手形の提示に関する事実については、申立てにより、当事者本人を尋問することができる。
 しかし、設問のような手形振出しの原因関係に関する事実についての証人尋問のような証拠調べを許容する規定はない。
 したがって、手形訴訟において、当事者が手形振出しの原因関係に関する事実についての証人尋問の申立てをした場合、証拠調べを行うことはできない。

●手形訴訟に関し、文書の真否又は手形の提示に関する事実については、申立てによっても、証人を尋問することはできない。

<解説>

 手形訴訟においては、証拠調べは原則として、書証に限られるが、例外として、文書の成立の真否又は手形の提示に関する事実については、申立てにより、当事者本人を尋問することができる。尋問することができるのは、「当事者本人」であって、「証人」ではない。
 したがって、手形訴訟に関し、文書の真否又は手形の提示に関する事実については、申立てによっても、証人を尋問することはできない。

●手形訴訟において、当事者が手形の提示に関する事実についての当事者本人尋問の申立てをした場合、証拠調べを行うことができる。

<解説>

 手形訴訟においては、証拠調べは原則として書証に限られる。ただし、例外的に手形訴訟においても、文書の成立の真否又は手形の提示に関する事実については、当事者の申立てにより、当事者本人を尋問することができる。

●手形訴訟において、当事者が手形の提示に関する事実についての手形交換所に対する調査嘱託の申立てをした場合でも、証拠調べを行うことができない

<解説>

 手形訴訟においては調査の嘱託をすることはできない。調査の嘱託をすることは、相当の期間を必要とし、簡易・迅速な紛争処理を要求されている手形訴訟の趣旨に反することになるからである。

つづく・・・

ラベル:民事訴訟法
posted by 94条2項の類推適用されずじまい at 15:03| Comment(0) | 民事訴訟法 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2011年12月30日

独学院 簡易裁判所の訴訟手続の特則の続きから

参りましょう。

●訴えの提起前の和解の申立ては、140万円を超える金銭の支払いを内容とするものであっても、簡易裁判所に対してすることができる。

<解説>

 民事上の争いについては、当事者は、請求の趣旨及び原因並びに争いの実情を表示して、相手方の普通裁判籍の所在地を管轄する簡易裁判所に和解の申立てをすることができる。これを、訴えの提起前の和解という。訴え提起前の和解を申立てる管轄裁判所は、相手方の普通裁判籍の所在地を管轄する簡易裁判所であるが、この場合、訴額を限定する規定はない。
 したがって、訴え提起前の和解の申立ては、140万円を超える金銭の支払いを内容とするものであっても、簡易裁判所に対してすることができる。

●訴え提起前の和解の申立てにあたっては、請求の趣旨及び原因を表示するだけでなく、当事者間の争いの実情も表示する必要がある。

<解説>

 訴え提起前の和解の申立ては、請求の趣旨及び原因並びに争いの実情を表示して、相手方の普通裁判籍の所在地を管轄する簡易裁判所に対して行う。

●訴え提起前の和解が調わない場合において、和解の期日に出頭した当事者双方の申立てがあるときは、通常の訴訟手続に移行する。

<解説>

 訴え提起前の和解が不調の場合において、和解の期日に出頭した当事者双方の申立てがあるときは、裁判所は、直ちに訴訟の弁論を命ずる。その場合、和解の申立てをしたときに、訴えを提起したものとみなされる。
 したがって、訴え提起前の和解の不調に際して当事者双方の申立てがあると、通常の訴訟手続へ移行する。

●訴え提起前の和解が調い、これが調書に記載されたときは、この調書の記載は、確定判決と同一の効力を有する。

<解説>

 訴え提起前の和解が成立すると訴訟上の和解と同様の効果を生ずる。すなわち、訴え提起前の和解が調ったときは、裁判所書記官は、調書に記載しなければならず、この調書は、「確定判決と同一の効力」を生じる。

●訴え提起前の和解は、簡易裁判所に対する当事者一方の申立てによっても事件が係属する。

<解説>

 訴え提起前の和解は、法文上、相手方の普通裁判籍の所在地を管轄する簡易裁判所に対する当事者の申立てにより行うことが要求されている。しかし、当事者双方の共同の申立てまで要求されていない。

●訴え提起前の和解の期日に当事者双方が出頭しなかったときでも、期日が続行されることがある。

<解説>

 訴え提起前の和解の申立人又は相手方が和解の期日に出頭しないときは、裁判所は、和解が調わないものとみなすことができる。しかし、裁判所は、和解の成立の可能性があるときは、和解不成立とみなさないこともできるので、その場合には、期日は続行する。

つづく・・・
ラベル:民事訴訟法
posted by 94条2項の類推適用されずじまい at 11:18| Comment(0) | 民事訴訟法 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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