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2011年10月06日

独学院 動産執行の手続序説

こんにちは。参りましょう。

(1)動産執行の方法

 動産執行においては、債務者の動産を差し押さえてこれを売却(換価)し、その代金によって債権者の満足(配当)を図る執行である。不動産執行における強制管理に相当する方法はない。

(2)動産執行の目的物
 
 動産執行は、動産に対する強制執行である。動産には、(ア)登記することのできない土地の定着物、(イ)土地から分離する前の天然果実で1か月以内に収穫することが確実なもの、及び(ウ)裏書の禁止されている有価証券以外の有価証券が含まれる。
 ただし、生活必需品、仏具その他の一定の種類の動産については、差押えが禁止され、強制執行することができない。なお、自動車について、道路運送車両法に基づき登録された自動車は、動産執行の対象とはならないが、未登録の自動車は、動産執行の対象となる。

(3)動産執行の執行機関

 動産執行における執行機関は、差し押さえるべき動産の所在地の執行官である。

<差押えの手順>

 動産執行は、債権者の申立てに基づく執行官の目的物に対する差押えによって開始されるが、差押えの方法は、目的物を債務者が占有しているか否かによって方法が異なる。

(1)目的物を債務者が占有している場合

 目的物たる動産を債務者が占有している場合、差押えは、原則として執行官の占有により行われるが、執行官が相当と認めるときは、債務者に当該動産(差押物)を保管させ、その使用を許可することができる。また、執行官は、債務者に保管させ又は使用を許可した差押物を自ら保管し、また使用の許可を取り消すことができる。

(2)目的物を債務者以外の者が占有している場合

 目的物たる動産を債務者以外の者(債権者を含む)が占有している場合でも、差押えは、原則として執行官の占有により行われる。もっとも、この場合の差押えは、当該動産の占有者の任意の提出、又は差押えの承諾に委ねられており、強制的に占有者の占有を排除することはできない。このため、占有者が動産の提出等を拒否する場合には、債務者が占有者に有する目的物引渡権又は返還請求に対する債権執行の方法によることになる。

<差押えの効力>

 動産執行においては、目的物が差し押さえられると、差押物の処分が禁止され、また差押物を占有する第三者に対して執行官への引き渡しを命ずることができる。また、差押えの効力は、差押物及び差押物から生ずる天然の産出物に生ずる。

(1)差押物の処分禁止

 執行官により目的物が差し押さえられると、債務者は、差押債権者や配当要求をした者等、配当を受けるべき者との関係で当該目的物の処分権限を失う。つまり、債務者は、差押物を第三に譲渡しても、債権者等に当該譲渡を対抗することができず、また譲受人(第三者)も、即時取得の要件を満たさない限り、債権者等に当該差押物の権利の取得を対抗することができない。

(2)差押物の引渡命令

 差押物を第三者が占有することとなった場合には、執行裁判所は、差押債権者の申立てにより、その第三者に対して、差押物を執行官に引き渡すべき旨を命ずることができる。なお、当該申立てについての裁判に対しては、執行抗告をすることができる。

<差押えの制限> 

(1)二重差押えの禁止

 執行官は、差押物又は仮差押えの執行をした動産をさらに差し押さえることができない。
 このため、差押え債務者に対しその差押えの場所について更に動産執行の申立てがあった場合においては、執行官は、まだ差し押さえていない動産を差し押さえ、差し押さえるべき動産がないときには、その旨を明らかにして、その動産執行事件と先の動産執行事件とを併合しなければならない。仮差押えの執行を受けた債務者に対しその執行の場所について更に動産執行の申立てがあったときも、同様である。
 また、(ア)2個の動産執行事件が併合されたときは、後の動産執行事件の申立てが、(イ)仮差押執行事件と動産執行事件とが併合されたときは、仮差押執行事件の申立てが、その併合の時に、配当要求の効力を生ずる。

(2)超過差押えの禁止

 動産の差押えは、差し押さえ債権者の債権及び執行費用の弁済に必要な限度を超えてすることができない。また、差押えの後に、その差押えが弁済に必要な限度を超えていることが明らかとなった場合には、執行官は、その超過の限度で差押えを取り消さなければならない。

(3)無剰余差押えの禁止

 差し押さえるべき動産の売得金で手続費用を弁済すると、債権の満足を得られる剰余を生ずる見込みがない場合には、執行官は、差押えをしてはならない。
 また、差押物の売得金で差押債権者の債権に優先する債権者及び手続費用を弁済すると、差押債権者の債権を満足を得られる剰余を生ずる見込みがない場合には、執行官は、差押えを取り消さなければならない。

(4)売却の見込みのない差押物の差押えの取消し

 差押物について相当な方法により売却を実施してもなお売却の見込みがないときは、執行官は、その差押物の差押えを取り消すことができる。

(5)差押禁止動産

 次に掲げる動産は、差し押さえることができない。

ア 債務者等の生活に欠くことができない衣類、寝具、家具、台所用具、畳及び建具
イ 債務者等の1か月間の生活に必要な食料および燃料
ウ 標準的な世帯の2か月間の必要生計費を勘案して政令で定める額の金銭
エ 主として自己の労力により農業を営む者の農業に欠くことができない器具、肥料、労役の用に供する家畜及びその飼料並びに次の収穫まで農業を続行するために欠くことができない種子その他これに類する農産物
オ 主として自己の労力により漁業を営む者の水産物の採捕又は養殖に欠くことができない漁網その他の漁具、えさ及び雑魚その他これに類する水産物
カ 技術者、職人、労務者その他の主として自己の知的又は肉体的な労働により職業又は営業に従事する者(エオに規定する者を除く)のその職務に欠くことができない器具その他の物(商品を除く)
キ 実印その他の印で職業又は生活に欠くことができないもの
ク 仏像、位牌その他礼拝又は祭祀に直接供するため欠くことができない物
ケ 債務者に必要な系譜、日記、商業帳簿及びこれらに類する書類
コ 債務者又はその親族が受けた勲章その他の名誉を表章する物
サ 債務者等の学校その他の教育施設における学習に必要な書類及び器具
シ 発明又は著作に係る物で、まだ公表していないもの
ス 債務者等に必要な義手、義足その他の身体の補助に供する物
セ 建物その他の工作物について、災害の防止又は保安のため法令の規定により設備しなければならない消防用の機械又は器具、避難器具その他の備品
 また、執行裁判所は、申立てにより、債務者及び債権者の生活の状況その他の事情を考慮して、差押えの全部若しくは一部の取消しを命じ、又は差押えの禁止されている動産の差押えを許すことができる。

<配当要求>

 (1)先取特権又は(2)質権を有する者は、その権利を証する文書を提出して、配当要求をすることができる。

 動産は、一般的に価値が大きくなく、また動産執行においては、超過差押えが禁止されており、広く配当要求を認めると、差押債権者が不利益を受ける。このため、動産執行においては、債務名義を有する差押債権者及び仮差押権者について配当要求を認めず、先取特権者及び質権者に限り、配当要求を認めている。

つづく・・・
 
posted by 94条2項の類推適用されずじまい at 12:05| Comment(0) | 民事執行法 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2011年10月05日

独学院 強制管理の開始決定から

おはっす。雨ですね。参りましょう。

<強制管理の開始決定>

 強制管理は、債権者の申立てにより、強制管理の開始決定をし、執行裁判所がその開始決定において、債権者のために不動産を差し押さえる旨を宣言し、かつ、債務者に対し収益の処分を禁止し、及び債務者が賃料等の請求権その他の当該不動産の収益に係る給付を求める権利(給付請求権)を有するときは、債務者に対して当該給付をする義務を負う者(給付義務者)に対しその給付の目的物を管理人に交付すべき旨を命じることによって開始される。強制管理の申立ての裁判に対しては、執行抗告をすることができる。
 強制管理の開始決定は、債務者及び給付義務者に送達され、差押えの効力は、当該給付義務者に送達されたときと差押えの登記がされたときのどちらか早いときに、その効力を生ずる。

<管理人>

強制管理においては、開始決定と同時に執行裁判所によって管理人が選任され、当該管理人によって、不動産の管理、収益の収取及び換価並びに配当等の実施が行われる。
 管理人は、1人又は数人の者が選任され、自然人に限られず、信託会社、銀行その他の法人も管理人になることができる。また、管理人は、執行裁判所の監督に服し、重要な事由があるときは、利害関係人の申立てにより又は執行裁判所の職権により解任される。

<配当等>

 強制管理においては、不動産の収益又はその換価代金から不動産に課せられる租税等を控除した金銭が配当等に充てられ、管理人は、執行裁判所の定める期間ごとに、配当等で充てるべき金銭の額を計算して、配当等を実施する。ただし、配当について、(1)債権者間に協議が調わなかったとき、(2)執行停止文書が提出されたとき又は(3)配当等を受けるべき債権者の債権が停止条件付債権であること等により配当等に係る金銭を供託したときは、執行裁判所によって、配当等が実施される。
 また、強制管理においては、強制競売と異なり、配当等の財源となる不動産の収益が継続的に得られることから、配当等の手続は、執行裁判所の定める期間ごとに分割され繰り返し行われる。このため、各債権者が配当等によりその債権及び執行費用の全部の弁済を受けたときは、執行裁判所は、強制管理の手続を取り消さなければならないものとされている。

<配当等を受けるべき債権者>

配当等を受けるべき債権者は、次に掲げる者である。

(1)差押債権者

ア 執行裁判所の定める期間の満了までに、強制管理の申立てをした者は、配当等を受けることができる。
イ 執行裁判所の定める期間の満了までに、一般の先取特権の実行として担保不動産収益執行の申立てをした者は、配当等を受けることができる。
ウ 執行裁判所の定める期間の満了までに、担保不動産収益執行の申立てをした者であって、当該申立てが最初の強制管理に係る差押の登記前に登記された担保権に基づくものは、配当等を受けることができる。

(2)仮差押債権者

 執行裁判所の定める期間の満了までに、強制管理の方法による仮差押えの執行の申立てをしたものは、配当等を受けることができる。

(3)配当要求をした債権者

 強制管理においては、(ア)執行力のある債務名義を有する債権者及び(イ)法定の文書により一般の先取特権を有することを証明した債権者が配当要求をすることができるが、これらの者のうち、執行裁判所の定める期間の満了までに、配当要求をした者は、配当等を受けることができる。

つづく・・・
 

タグ:民事執行法
posted by 94条2項の類推適用されずじまい at 09:44| Comment(0) | 民事執行法 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2011年10月04日

独学院 配当等の実施から

おはっす。参りましょう。

<配当等の実施>

 買受人の代金の納付があったときは、執行裁判所は、債権者に対して弁済の交付又は配当を行わなければならない。これによって、債権者は、自己の有する債権について、満足を受けることになる。
 なお、ここで「弁済金の交付」とは、債権者が1人である場合又は2人以上であって売却代金によって各債権者の債権及び執行費用の全部を弁済することができる場合をいい、「配当」とは、債権者が2人以上であって売却代金によって各債権者の債権及び執行費用の全部を弁済することができない場合をいう。

(1)弁済金の交付

 執行裁判所は、売却代金の交付計算書を作成して、債権者に弁済金を交付し、剰余金を債務者に交付する。

(2)配当

 執行裁判所は、裁判所書記官が作成した配当表に基づいて配当を実施しなければならない。
 配当の実施に当たっては、配当を受けるべき債権者及び債務者が出席する配当期日が設けられるが、執行裁判所は、配当期日において配当をうけるべき債権者の(ア)債権の元本及び利息その他の附帯の債権の額、(イ)執行費用の額並びに(ウ)配当の順位及び額の内容を定めなければならなず、これらの内容が定められたときは、裁判所書記官によって配当表が作成される。ただし、(ウ)については、執行裁判所が定めるほか、配当期日においてすべての債権者の合意によって定めることもできる。

<配当等を受けるべき債権者>

 配当を受けるべき債権者は、次に掲げるものである。

(1)差押債権者

 差押債権者には、最初の強制競売の開始決定を得た債権者のほか、配当要求の終期までに、二重開始決定に係る強制競売の申立てをした債権者及び一般先取特権の実行としての競売の申立てをしていれば足り、開始決定がされたのが配当要求の終期後であっても、配当等を受けることができるものとされている。

(2)配当要求の終期までに配当要求をした債権者

(3)差押えの登記の前に登記された仮差押権者

 (最初の強制競売の開始決定に係る)差押えの登記の前に登記された仮差押えの債権者は、配当要求をしなくても、当然に配当を受けるべき債権者となる。当該差押債権者は、登記事項証明書から執行裁判所にあきらかとなるからである。

(4)差押えの登記の前に登記された担保権で売却により消滅するものを有する債権者

 (最初の強制競売の開始決定に係る)差押えの登記の前に登記された先取特権((1)(2)の一般の先取特権を除く。)、質権又は抵当権で売却により消滅するものを有する債権者は、配当を受けるべき債権者となる。
 ただし、債権者の有する担保権が仮差押えの登記の後に登記されたものであるときは、当該仮差押えに対抗することができないため、仮差押債権者が本案の訴訟に敗訴し、又は仮差押えの申立ての取り下げ若しくは取消し等により執行しない限り、配当等を受けることができない。

(5)その他

ア 仮登記担保権者

 差押えの登記前にされた担保仮登記に係る権利で売却により消滅するものを有する債権者は、債権の届出をした場合に限り、売却代金の配当又は弁済金の交付を受けることができる(仮登記担保法)

イ 租税債権

 租税債権については、配当要求の終期までに交付要求をしたときは、配当等を受けることができるものとされている。

<配当に対する不服申立て>

(1)配当異議の申出

 配当表に記載された各債権者の債権又は配当の額について不服のある債権者及び債務者は、配当期日において、配当異議の申出をすることができる。この場合、執行裁判所は、配当異議のない部分に限り、配当を実施しなければならない。

(2)配当異議の訴え等

 債権者又は債務者が配当異議の申出をした場合であっても、それのみでは配当表の内容は変更されない。このため、配当異議の申出をした債権者及び執行力のある債務名義の正本を有しない債権者に対して配当異議の申し出をした債務者は、配当異議の訴えを提起しなければならなず、執行力のある債務名義の正本を有する債権者に対して配当異議の申出をした債務者は、請求異議の訴え又は民事訴訟法第117条第1項の訴え(定期金による賠償を命じた確定判決の変更を求める訴え)を提起しなければならない。

つづく・・・

 
タグ:民事執行法
posted by 94条2項の類推適用されずじまい at 11:52| Comment(0) | 民事執行法 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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