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2011年10月15日

独学院 動産の引渡しの強制執行から

いつもの通り参りましょう。

<動産の引き渡しの強制執行>

 動産の引き渡しの強制執行は、執行官が債務者からこれを取り上げて債権者に引き渡す方法により行う。ここでいう動産とは、民法上の動産のうち人の居住する船舶等を除いたものである。有価証券や動産執行における差押禁止動産であっても、引渡しの強制執行の対象となり、また、自動車についても、キャンピング・カーやトレーラー・ハウスといった人の居住するものを除いて、登録、未登録を問わず対象となる。
 動産の引き渡しの強制執行においては、動産執行と同様、執行官は、差押債権者のためにその債権及び執行費用の弁済を受領することができ、また、債務者の住居等に立ち入り、目的物を捜索することができる。

<目的物を第三者が占有する場合の引き渡しの強制執行>

 債務者以外の第三者が強制執行の目的物を占有している場合において、その者を債務者に引渡すべき義務を負っているときは、物の引渡しの強制執行は、執行裁判所が、債務者の第三者に対する引渡請求権を差し押さえ、請求権の行使を債権者に許す旨の命令を発する方法により行う。
 執行裁判は債権執行における執行裁判所と同様であるため、原則として、債務者の普通裁判籍の所在地を管轄する地方裁判所が、執行裁判所となる。
 その他、差押命令、第三債務者の陳述の催告、差押債権者の取立権及び債権者の損害賠償にかんする債権執行の規定が準用されている。

<代替執行>

 (1)代替執行の意義

 代替執行は、債務が作為又は不作為を目的とするときに、債権者が債務者の費用で第三者にこれをさせる執行方法をいう。債務者自身が債務を履行しなくても、債務の内容を実現することができるときは、債権者その他第三者に債務の内容を実現させて、これに費やした費用を債務者から取り立てるものである。債務が不作為を目的とするものであっても、代替執行により、不作為の義務違反の結果を除去することができる。

(2)代替執行の手続

 代替執行は、債権者の請求により、執行裁判所が債務者の費用により債権者又は第三者に債権の履行に係る行為を授権する決定を行う方法による。執行裁判所は、代替執行の決定をする場合には、債務者を審尋しなければならない。

 執行裁判所は、債務名義の種類により異なるが、原則として、第1審裁判所が管轄し、債務名義が、確定判決と同一の効力を有するもののうち和解若しくは調停(上級裁判所で成立した和解等を除く)又は労働審判であるときは、和解若しくは調停が成立した簡易裁判所、地方裁判所若しくは家庭裁判所又は労働審判が行われた際の労働審判事件が係属していた地方裁判所が管轄する。

 また、執行裁判所は、代替施行をする旨の決定をする場合いは、債権者の申立てにより、債務者に対し、当該代替執行をするために必要な費用をあらかじめ債権者に支払うべき旨を命ずることができる。
 代替執行の申立て又は費用の前払いの申立てについての裁判に対しては、執行抗告をすることができる。

 なお、代替執行の授権を受けた債権者又は第三者は、職務の執行に際し抵抗を受けるときは、執行官に対し、援助を求めることができる。

<間接強制の意義>

 間接強制は、作為又は不作為を目的とする債務で代替執行によることができないものについての強制執行で、執行裁判所が債務者に対し、遅延の期間に応じ、又は相当と認める一定の期間内に履行しないときは直ちに、債務の履行を確保するために相当と認める一定の額の金銭を債権者に支払うべき旨を命ずる方法によるものである。債務者が任意に債務の履行をしない場合には、裁判所が債務の不履行につき一定の金銭の支払いを命ずることにより債務者の心理を強制し、間接的に債権の実現を図る強制執行の方法である。

<間接強制の対象>

 間接強制は、原則として、作為又は不作為を目的とする債務で代替執行によることができないものについての強制執行であるが、非金銭執行については、いずれも債権者の申立てがあるときは、間接強制よることもできる。
 また、金銭債権であっても、扶養義務等に係る金銭債権については、債権者の申立てがあるときは、間接強制の方法により行うことができる。ただし、この場合であっても、債務者が支払い能力を欠くためにその金銭債権に係る債務を弁済することができないとき、又はその債務を弁済することによってその生活が著しく窮迫するときは、間接強制の方法により行うことはできない。

<間接強制の手続>

 執行裁判所は、債権者の申立てにより、間接強制の決定をすることができるが、間接強制による決定をするときは、債務者を審尋しなければならない。間接強制の申立てについての裁判に対しては、執行抗告をすることができる。
 なお、不作為を目的とする債務の強制執行として間接強制の方法によるには、債権者において、債務者がその不作為義務に違反するおそれがあることを立証すれば足り、現に違反していることを立証することは要しないものとされている。間接強制は、債務者に対して、債務の履行をしない場合には一定の額の金銭を支払うべき旨を命ずることにより、将来の債務の履行をあらかじめ確保しようとするものであり、義務違反がなければ間接強制をすることができないのでは、その目的を十分に達成できないからである。

 間接強制の決定により命じられた金銭の支払いがされたときは、当該金銭は、債務の不履行による損害賠償債務の弁済に充当される。このため、間接強制により命じられた金銭の支払いがあった場合において、債務不履行による生じた損害の額が支払額を超えるときは、債権者は、その超える額についてのみ損害の賠償を請求することができる。

 また、事情の変更があった場合には、執行裁判所は、申立てにより、間接強制の決定を変更することができる。この場合には、間接強制の決定と同様、債務者を審尋しなければならず、また、当該裁判については執行抗告をすることができる。

<意思表示の擬制>

 意思表示をすべきことを債務者に命ずる判決その他の裁判が確定し、又は和解、認諾、調停若しくは労働審判に係る債務名義が成立したときは、債務者は、その確定又は成立の時に意思表示をしたものとみなされる。
 ただし、債務者の意思表示が債権者の証明すべき事実の到来に係るとき、反対給付との引き換え又は債務の履行その他の債務者の証明すべき事実のないことに係るときは、執行文が付与された時に意思表示をしたものとみなされる。

 債務者の意思表示が債権者の証明すべき事実の到来に係るときは、執行文は、債権者がその事実の到来を証明したときに限り、付与することができる。

 債務者の意思表示が反対給付との引換えに係る場合には、執行文は、債権者が反対給付又はその提供があったことを証する文書を提出したときに限り、付与することができる。

 強制執行では、原則として、債務者の給付が反対給付との引き換えにすべきものである時であっても、執行文の付与について、反対給付又はその提供は要しないものとされているが、債務者の意思表示に係る強制執行については、債務名義の成立ないし執行文の付与によって強制執行がされたものとみなされるため、債権者に反対給付をさせることは先履行を強いることにならないからである。

 また、債務者の意思表示が債務者の証明すべき事実のないことに係る場合において、執行文の付与の申立てがあったときは、裁判所書記官は、債務者に対し一定の期間を定めてその事実を証明する文書を提出すべき旨を催告し、債務者がその期間内にその文書を提出しないときに限り、執行文を付与することができる。

つづく・・・
タグ:民事執行法
posted by 94条2項の類推適用されずじまい at 11:33| Comment(0) | 民事執行法 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2011年10月14日

独学院 非金銭執行から

参りましょう。  

<非金銭執行>

 民事執行法第168条から第174条においては、金銭の支払いを目的としない請求権についての強制執行、すなわち、非金銭執行について規定されている。前述の不動産執行、動産執行、債権執行は、強制執行の目的物はそれぞれ異なるが、いずれも金銭の支払いを目的とする請求権についての強制執行という点で共通しており、その手順は、原則として、差押え、換価、配当(満足)の3段階で進められる。
 しかし、非金銭執行においては、差押え、換価、配当(満足)といった3段階の手続はとられない。非金銭執行は、物の引き渡しに関する強制執行及び債務者に一定の行為をさせる強制執行の2つがあり、前者については、不動産又は動産の引渡しの強制執行、後者については、代替執行、間接強制及び債務者の意思表示の擬制が規定されている。

<不動産の引渡し等の強制執行>

 不動産又は人の居住する船舶等の引き渡し又は明渡しの強制執行は、執行官が債務者の不動産等に対する占有を解いて債権者にその占有を取得させる方法により行う。
 不動産とは、土地及び建物その他の土地の定着物がこれに当たるものとされているが、不動産執行において不動産とみなされていた不動産の共有持分、登記された地上権及び永小作権並びにこれらの権利の共有持分は、これに当たらない。
 不動産の引渡し又は明渡しの強制執行は、債権者又はその代理人が執行の場所に出頭したときに限り、することができる。

 不動産等の引渡し等の強制執行を行うについて、執行官には、一定の職務権限が与えられている。執行官は、不動産等の引渡し等の強制執行を行うために不動産の占有者を特定する必要があるときは、当該不動産に在る者に対し、質問し、又は文書の提示を求めることができる。また、不動産等の引渡し等の強制執行を行うに際し、執行官は、債務者の占有する不動産に立ち入り、必要があるときは、閉鎖した戸を開くために必要な処分をすることができ、さらに、公共事業を営む法人に対する電気、ガス、水道水等の供給に関する事項の報告を求めることができる。
 
 不動産等の引渡し等の強制執行について、当該不動産の中にある債務者の動産や、従たる動産であって第三者の所有物であることが明らかでなものについては、当該強制執行により不動産と合わせて債権者に引き渡される。もっとも、それ以外の動産については強制執行することはできないため、執行官は、不動産から取り除いて、債務者、その代理人又は同居の親族若しくは使用人その他の従業者で相当のわきまえのあるものに引き渡さなければならない。
 引き渡すことができない動産については、執行官は、競り売りや、入札等の方法により売却することができ、売得金については、売却費用及び保管費用を控除した残余の額を供託しなければならない。
 また、引渡しも売却もしなかった動産については、執行官が保管しなければならない。

<明渡しの催告>

 執行官は、不動産等の引渡し又は明渡しの強制執行の申立てがあった場合において、当該強制執行を開始することができるときは、債務者が不動産を占有していないときを除いて、引渡しの期限を定めて明渡しの催告をすることができる。引渡し期限は、明渡しの催告があったときから1か月を経過した日である。当該引渡し期限について、執行官は、執行裁判所の許可を得て、明渡しの催告があったときから1か月を経過した日以後の日を引渡し期限とすることができる。また、執行官は、引渡し期限が経過するまでの間、執行裁判所の許可を得て、引渡し期限を延長することができる。

 執行官は、明渡しの催告をしたときは、明渡しの催告をした旨、引渡し期限及び債務者は当該不動産の占有を禁止されてる旨を、当該不動産の所在場所に公示書その他の標識を掲示する方法により、公示しなければならない。引渡し期限を延長したときは、当該変更後の引き渡し期限を公示しなければならない。

<明渡しの催告の効力>

 明渡しの催告があったときは、債務者は、債権者に対して不動産の引渡し又は明渡しをする場合を除いて、当該不動産等の占有を移転してはならない。

 明渡しの催告後に不動産等の占有の移転があったときは、引渡し期限が経過するまでの間においては、占有者(債務者を除く)に対して、不動産等の引き渡し又は明渡しの強制執行をすることができる。この場合、債権者は、当該占有者に強制執行を行うために、新たな申立てを要しない。当該占有者は、執行費用の負担の規定及び不動産の占有の移転の禁止の規定について債務者とみなされるため、明渡しの催告に要した費用を含む執行費用を負担し、また、当該不動産の占有の移転が禁止される。
 明渡しの催告後に不動産等の占有の移転を受けた占有者に対して強制執行がされたときは、当該占有者は、債権者に対抗することができる権限により目的物を占有していること、又は明渡しの催告があったことを知らず、かつ、債務者の占有の承継人でないことを理由として、執行異議の申立てをすることができる。また、明渡しの催告後に不動産等の占有の移転があったときは、占有者は、明渡しの催告があったことを知らず、かつ、債務者の占有の承継人でないことを理由として、債権者に対し、強制執行の不許を求める訴えを提起することができる。この訴えについては、執行文の付与に対する異議の訴え又は請求異議の訴えに関する執行停止の裁判の規定及び第三者異議の訴えの管轄の規定が準用されている。明渡しの催告後に不動産等を占有した占有者は、明渡しの催告があったことを知って占有をしたものと推定されるため、当該強制執行の不許を求める訴えについて、当該占有者は、明渡しの催告があったことを知らないことについて、立証責任を負うこととなる。

つづく・・・
  
タグ:民事執行法
posted by 94条2項の類推適用されずじまい at 13:40| Comment(0) | 民事執行法 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2011年10月13日

独学院 添付命令から

ささ、参りましょう。

<添付命令>

 添付命令とは、差押債権者の申立てにより、執行裁判所が発する、支払に代えて券面額で差し押さえられた金銭債権を差押債権者に添付する命令をいう。なお、添付命令の申立てについての決定に対しては、執行抗告をすることができる。
 執行裁判所が添付命令を発することを決定した場合には、当該添付命令は、債務者及び第三債務者に送達しなければならない。

 添付命令は、確定しなければその効力を生じない。また、添付命令が第三債務者に送達されるときまでに、添付命令に係る金銭債権について、他の債権者が差押え、仮差押えの執行又は配当要求をしたときは、添付命令は、その効力を生じない。
 添付命令の効力は、決定・送達等ではなく、その確定により生ずるとされているが、これは、添付命令の申立てに関する決定について、執行抗告が認められているからである。

 差押命令及び添付命令が確定した場合においては、差押債権者の債権及び執行費用は、添付命令に係る金銭債権が存する限り、その券面額で、添付命令が第三債務者に送達された時に弁済されたものとみなされる。

<譲渡命令・売却命令・管理命令>

 差し押さえられた債権が、条件付若しくは期限付きであるとき、又は反対給付に係ることその他の事由によりその取立てが困難であるときは、執行裁判所は、差押債権者の申立てにより、次のような決定をすることができる。なお、当該申立てについての決定に対しては、執行抗告をすることができる。

(1)差し押さえられた債権を、執行裁判所が定めた価額で、支払に代えて、差押債権者に譲渡する命令(譲渡命令)

(2)取立てに代えて、執行裁判所の定める方法により、差し押さえられた債権の売却を執行官に命ずる命令(売却命令)

(3)差し押さえられた債権について、管理人を選任してその債権の管理を命ずる命令(管理命令)

(4)その他相当な方法による換価を命ずる命令

<配当>

 債権執行においては、差押債権者による取立て、添付命令等により差押債権者が満足を受ける場合には、配当手続を行うことなく執行手続が終了する。
 これに対して、執行裁判所は、次の場合には配当を実施しなければならない。

(1)債権の管理人が配当金等を供託した場合
(2)被差押債権について、第三債務者が供託した場合
(3)売却命令による売却がされた場合
(4)動産の引渡請求権の執行に係る売得金が提出された場合

 配当を受けることのできる債権者は、次の時までに差押えをした債権者、仮差押えの執行をした債権者及び配当要求をした債権者である。

(1)第三債務者が権利供託又は義務供託をした時
(2)取立訴訟の訴状が第三債務者に送達された時
(3)売却命令により執行官が売得金の交付を受けた時
(4)動産引渡請求権の仮差押えの場合にあっては、執行官がその動産の引渡しを受けた時

<少額訴訟債権執行>

 少額訴訟債権執行制度は、訴訟段階において簡易・迅速な手続で行われた少額訴訟制度のメリットを、執行段階においても及ぼす趣旨で設けられたものである。
 そして、執行手続を簡易・迅速化させるために、少額訴訟に関する金銭債権の強制執行につき、通常の地方裁判所における債権執行手続のほかに、簡易裁判所における債権執行の手続を創設し、基本的に裁判所書記官により執行処分を行わせることとした。
 ただし、簡易裁判所の性質上、複雑・困難な手続については、事件を地方裁判所に移行しなければならないこととされている。

(1)簡易裁判所における債権執行手続

 法定の少額訴訟に係る債務名義による金銭債権執行は、地方裁判所が行うほか、申立てにより、簡易裁判所の裁判所書記官が行う。そして、少額訴訟債権執行の申立ては、債務名義の区分に応じ定められた簡易裁判所の裁判所書記官に対してしなければならない。
 法定の少額訴訟に係る債務名義及び当該債務名義の区分に応じて申立てをすべき裁判所は次のとおりである。

ア 少額訴訟における確定判決(判決をした簡易裁判所)
イ 仮執行宣言を付した少額訴訟の判決(判決をした簡易裁判所)
ウ 少額訴訟における訴訟費用又は和解の費用の負担の額を定める裁判所書記官の処分(処分をした裁判所書記官の所属する簡易裁判所)
エ 少額訴訟における和解又は認諾の調書(和解が成立し、又は認諾がされた簡易裁判所)
オ 少額訴訟における民事訴訟法第275条の2第1項の規定による和解に代わる決定(和解に代わる決定をした簡易裁判所)

 少額訴訟債権執行の手続において、裁判所書記官が行う執行処分に関しては、その裁判所書記官の所属する簡易裁判所をもって執行裁判所とする。

(2)裁判所書記官が行う執行処分

 少額訴訟債権執行において、裁判所書記官には、差押処分、配当要求の受付、差押債権者の金銭債権の取り立て及び第三債務者の供託における事情等の届出の届出先、差押に係る金銭債権の金銭が供託された場合の弁済金の交付等を行う権限が与えられている。
 なお、裁判所書記官が行う執行処分は、特別の定めがある場合を除き、相当と認める方法で告知することによって、その効力を生ずる。

(3)地方裁判所への事件の移行

 簡易裁判所は、複雑・困難な手続には不向きなので、処分の性質によっては、地方裁判所の手続に移行する。具体的には、添付命令又は譲渡命令、売却命令、管理命令等の申立てがあった場合、差押に係る金銭債権の金銭が供託されたときに配当手続が行われる場合には、執行裁判所は、その所在地を管轄する地方裁判所における債権執行の手続に事件を移行させなければならない。
 また、執行裁判所は、差し押さえるべき金銭債権の内容その他の事情を考慮して、相当と認めるときは、その所在地を管轄する地方裁判所における債権執行の手続に裁量的に移行させることもできる。

つづく・・・
タグ:民事執行法
posted by 94条2項の類推適用されずじまい at 11:39| Comment(0) | 民事執行法 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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