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2011年09月19日

独学院 保全取消しから

こんにちは、参りましょう。

<保全取消し>

 保全取消しは、保全命令が正当に発令された後に生じた事情に基づいて、保全命令を取り消す手続である。保全取消しには、(ア)本案の訴えの不提起による保全取消し、(イ)事情変更による保全取消し及び(ウ)特別事情による取消しの3つがある。

(ア)本案の訴えの不提起による保全取消し

 本案の訴えの不提起による保全取消しは、債権者が保全命令を取得したにも関わらず、本案の訴えを提起しない場合に、当該保全命令を取り消すものである。

(イ)事情変更による保全取消し

 保全すべき権利若しくは権利関係又は保全の必要性の消滅その他の事情の変更があるときは、保全命令を発した裁判所又は本案の裁判所が、保全命令を取り消すものである。

(ウ)特別事情による保全取消し

 仮処分命令により債務者に対して償うことができない損害を生ずるおそれがあるときその他の特別の事情があるときに、仮処分命令を発した裁判所又は本案の裁判所が、担保を立てることを条件として、仮処分命令を取り消すものである。

<本案の訴えの不提起による保全取消し>

 本案の訴えの不提起による保全取消しは、債権者が保全命令を取得したにも関わらず、本案の訴えを提起しない場合に、当該保全命令を取り消すものである。仮差押え及び仮処分は、本案の権利を保全する暫定的な処分であり、本案による権利の確定を目指すものであるから、債権者が本案の訴えの提起を怠っているときは、いつまでも保全処分を継続して債務者に負担を課すのは適当ではないからである。

 本案の訴えの不提起による保全取消しにおいては、まず債権者に対して本案の訴えを提起することを命じ(起訴命令)、次いで、当該提訴命令にも関わらず債権者が本案の訴えを提起しないときに、保全命令を取り消すものとされている。

(1)本案の基礎命令

 保全命令を発した裁判所は、債務者の申立てにより、債権者に対して、2週間以上の期間を定めて、本案の訴えを提起するとともにその提起を証する書面を提出し、すでに本案の訴えを提起しているときは、その係属を証する書面を提出すべきことを命じなければならない。
 本案の訴えについては、普通の民事訴訟のほか、本案の事件の種類により、(ア)家事事件に関する家庭裁判所に対する調停の申立て、(イ)労働審判の手続の申立て、(ウ)仲裁の場合がある場合の仲裁手続きの開始の手続、(エ)公害の被害に係る損害賠償責任の裁定の申請があったときは、本案の訴えの提起があったものとみなされる。

 本案の起訴命令の申立てに関する審理は、口頭弁論を経る必要がなく、書面、審尋又は任意的口頭弁論の方法によりすることができる。

(2)保全命令の取り消し

 債権者が起訴命令で定められた期間内に本案の訴えを提起したことを証する書面等を提出しなかったときは、裁判所は、債務者の申立てにより、保全命令を取り消さなければならない。また、本案の訴えを提起したことを証する書面等を提出した後に、当該本案の訴えが取り下げられ、又は却下された場合には、その書面を提出しなかったものとみなされ、裁判所は、債務者の申立てにより、保全命令を取り消さなければならない。
 保全命令の取り消しに関する審理は、口頭弁論又は当事者の双方が立ち会うことができる審尋の期日を経なければならず、審理の終結には相当の期間を猶予して当事者に告知しなければならないなど、起訴命令の手続と異なり、保全異議の規定が多く準用されている。

<事情変更による保全取消し>

 保全すべき権利若しくは権利関係又は保全の必要性の消滅その他の事情の変更があるときは、保全命令を発した裁判所又は本案の裁判所は、債務者の申立てにより、保全命令を取り消すことができる。
 例えば、債権者の債務者に対する貸金返還請求権を保全するために仮差押命令が発せられた後、債務者が任意に弁済した場合や、債権者が本案訴訟において敗訴した場合などがこれに当たる。
 事情変更による保全取消しは、本案訴訟の不提起による保全取消しと異なり、保全命令を発した裁判所のほか、本案の裁判所も管轄となるので、債務者は、いずれの裁判所に対しても申立てをすることができる。
 保全命令を取消しうる事情の変更は、疎明しなければならない。
 保全命令の取り消しに関する審理は、本案訴訟の不提起による保全取消しにおける保全命令の取消しの場合と同様であるが、さらに決定に際して担保を立てることを条件に保全執行を続行し、又は保全命令を取り消すことができる。

<特別事情による保全取消し>

 仮処分命令により債務者に対して償うことができない損害を生ずるおそれがあるときその他の特別の事情があるときは、仮処分命令を発した裁判所又は本案の裁判所は、債務者の申立てにより、担保を立てることを条件として、仮処分命令を取り消すことができる。保全命令を取消しうる特別の事情は、疎明しなければならない。
 特別事情による保全取消しは、保全命令のうち仮処分命令にしか認められず、また仮処分命令を取り消す際には必ず担保を立てることが条件とされる点で、本案訴訟の不提起による保全取消し及び事情変更による保全取消しと異なる。

 その他、仮処分命令の取り消しに関する審理は、本案訴訟の不提起による保全取消しにおける保全命令の取り消しの場合と同様である。

<保全抗告>

 保全異議又は保全取消しの申立てについての裁判に対しては、その送達を受けた日から2週間の不変期間内に、保全抗告をすることができる。ただし、抗告裁判所が発した保全命令に対する保全異議の申立てについての裁判に対しては、保全抗告をすることができない。
 保全抗告は、保全異議及び保全取消しの裁判に対する不服申立方法であり、保全異議及び保全取消しに関する決定に対して不服がある場合だけでなく、これらの申立てが却下された場合にもすることができる。

 保全抗告を受けた原裁判所は、保全抗告の理由の有無について判断せずに、事件を抗告裁判所に送付しなければならない。保全抗告では、保全異議及び保全取消しにおいてある程度の対審を経ていることや、手続の迅速な完結の要請から、即時抗告と異なり、原裁判所による再度の考案は認められていない。

 保全抗告の裁判に対しては、更に抗告をすることができない。

<即時抗告>

 保全命令の申立てを却下する裁判に対しては、債権者は、告知を受けた日から2週間の不変期間内に、即時抗告をすることができる。この点、民事訴訟法において、即時抗告期間を、債権者が告知を受けた日から1週間の不変期間内にしなければならないものと異なる。また、即時抗告を却下する裁判に対しては、更に抗告をすることができない。

つづくよ・・・
ラベル:民事保全法
posted by 94条2項の類推適用されずじまい at 11:23| Comment(0) | 民事保全法 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2011年09月18日

独学院 不服申立て

いつも通り参りましょう。

 保全手続の裁判に対する不服の申立方法は、保全命令に対する債務者の「保全異議」及び「保全取消し」、保全異議又は保全取消しの申立ての裁判に対する当事者の「保全抗告」があり、また、保全命令の申立てを却下する裁判に対する債権者の「即時抗告」がある。

 例えば、保全命令が発せられた場合、債務者は、その発令前に被保全権利が弁済により消滅していたことを主張しようとするときは、保全異議の申立てをすることになる。これに対し、その発令後に被保全権利が弁済により消滅したことを主張しようとするときには、保全取消しの申立てをすることができる。これらの申立てが却下されたときは、債務者は、その決定に対して保全抗告の申立てをすることができる。他方で、保全命令の申立てをした債権者は、申立てを却下する決定に対して、即時抗告の申立てをすることができる。

<保全異議>

 保全命令に対しては、債務者は、その命令を発した裁判所に保全異議を申し立てることができる。保全異議は、保全命令を発した裁判所が、保全命令の発令の直前の状態に戻って、被保全権利等の存否及び保全の必要性を再審理する手続である。例えば、保全命令が発せられた場合において、債務者が、その発令前に被保全権利が弁済により消滅していたことを主張しようとするとき等がこれに当たる。

<保全異議の手続>

(1)保全異議の申立て

 保全異議は、書面をもって申し立てなければならず、保全命令を発した裁判所が管轄する。ただし、裁判所は、当事者、証人及び参考人の住所その他の事情を考慮して、保全異議事件につき著しい遅滞を避け、又は当事者間の衝平を図るために必要があるときは、申立てにより又は職権で、当該保全異議事件につき管轄権を有する他の裁判所に事件を移送することができる。
 保全異議は、保全命令が有効に存在していれば、いつでも申し立てることができ、申立て期間は特に制限されていない。また、保全異議の申立てを取り下げるには、債権者の同意を要しない。
 保全異議の申立ては、原則として保全執行の停止の効力を有しないが、(ア)保全命令の取り消しの原因となることが明らかな事情及び(イ)保全執行により補うことができない損害を生ずるおそれがあることにつき疎明があったときに限り、裁判所は、申立てにより、担保を立てさせて、又は担保を立てることを条件として保全執行の停止又は既にした執行処分の取り消しを命ずることができる。なお、この裁判に対しては、不服を申し立てることができない。

(2)保全異議の審理

 保全異議の審理について、裁判所は、口頭弁論又は当事者の双方が立ち会うことができる審尋の期日を経なければ申立てに関する決定をすることができない。
 保全異議の審理は、迅速性・密行性が要求される保全命令の発令手続とは性質が異なり、保全命令の発令に対する当事者の主張を再審理する手続であるので、当事者双方を対等に扱わなければならないからである。また、保全異議の裁判も、保全命令と同様に決定によって行われるため、保全命令の申立てについての審理において提出された資料は、保全異議の審理においても、全て資料として利用することができる。

 裁判所は、保全異議の審理を終結するには、相当の猶予期間をおいて、審理を終結する日を決定しなければならない。これによって、当事者は、審理の終結の日まで証拠資料等を提出することができ、また当事者にとって不意に裁判(決定)がされることを防止する。
 このため、口頭弁論又は当事者の双方が立ち会うことができる審尋の期日においては、裁判所は、直ちに審理の終結を宣言することができる。

(3)保全異議に対する決定

 裁判所は、保全異議の申立てについては、保全命令を認可、変更又は取り消す旨の決定をし、当事者に送達しなければならない。この決定に際して、裁判所は、債権者に対して担保を立てることを条件として保全執行を実施若しくは続行させ、又は債務者に対して担保を立てることを条件として保全命令を取り消すことができる。
 また、裁判所は、保全命令の取り消しを決定する場合、当該決定に対して保全抗告することができないときを除いて、決定の送達を受けた日から2週間を超えない範囲内で相当と認める一定期間を経過しなければ、その決定の効力が生じない旨を宣言することができる。

(4)原状回復の裁判

 仮処分命令に基づき、債権者が物の引渡若しくは明渡し若しくは金銭の支払いを受け、又は物の使用若しくは保管をしているときは、裁判所は、債務者の申立てにより、保全異議における仮処分命令を取り消す決定の際に、債権者に対し、債務者が引渡し、若しくは明渡した物の返還、債務者が支払った金銭の返還又は債権者が使用若しくは保管をしている物の返還を命ずることができる。

つづく・・・
ラベル:民事保全法
posted by 94条2項の類推適用されずじまい at 08:00| Comment(0) | 民事保全法 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2011年09月17日

独学院 占有移転禁止の仮処分から

参りましょう。

(1)占有移転禁止の仮処分の執行

 占有移転禁止の仮処分は、係争物に関する仮処分の一類型であり、者の占有の移転を禁止し、その物の占有を解いて執行官に引き渡すことを命ずるものである。例えば、建物の賃貸人が当該建物の賃貸借契約を解除した場合、賃借人に対して有する明渡請求権を保全するためん、占有移転禁止の仮処分により、賃借人が他の者(第三者)に当該建物の占有を移転することを禁止して、建物の占有者を恒定する。

 占有移転禁止の仮処分は、原則として仮差押えの執行又は強制執行の例によるものとされている。つまり、占有移転禁止の仮処分の執行は、仮処分命令に基づいて、執行官が目的物を保管し、又は債務者に目的物の使用を許可して占有が禁止されている旨を公表する等の方法により行われる。なお、債務者を特定しないで発せられた不動産の占有移転禁止の仮処分命令の執行は、当該不動産の占有を解く際に、その占有者を特定することができない場合は、することができない。

(2)仮処分の効力

 占有移転禁止の仮処分命令の執行がされたときは、仮処分の当事者恒定効により、債権者は、仮処分債務者を相手とする本案の債務名義に基づき、仮処分債務者に対してはもちろん、債務者の占有を承継した者、及び仮処分が執行されたことにつき悪意の占有者に対しても、係争物の引渡又は明渡しの強制執行をすることができる。

 占有移転禁止の仮処分の効力の及ぶ者の範囲は、次のとおりである。

ア 仮処分の執行後に、債務者の占有を承継した者

 仮処分の執行後に、債務者の譲渡等の処分により占有を承継した者に対しては、仮処分の効力が及び、仮処分が執行されたことにつき善意・悪意を問わない。

イ 仮処分の執行後に、債務者の処分によらずに占有を取得した者(非承継占有者)

 この場合には、仮処分が執行されたことにつき善意の者と悪意の者とで扱いが異なる。

 a 仮処分が執行されたことにつき悪意の者

   占有者の占有の取得が債務者の処分によらない場合であっても、仮処分が執行さらた事につき悪意であれば、当該仮処分の効力が及ぶ

 b 仮処分が執行されたことにつき善意の者

   占有者の占有の取得が債務者の処分によらない場合であって、かつ、仮処分が執行されたことにつき善意であれば、当該仮処分の効力はおよばない

 ただし、占有移転禁止の仮処分命令の執行後に係争物の占有をした者は、当該仮処分の執行につき悪意の占有者と推定されるため、占有者は、仮処分の執行につき善意であることの立証責任を負う。

 占有移転禁止の仮処分の本案の債務名義に基づいて強制執行する場合には、執行文の付与を要し、債務者以外の者が占有しているときは、承継執行文の付与を要する。

つづく・・・
ラベル:民事保全法
posted by 94条2項の類推適用されずじまい at 08:00| Comment(0) | 民事保全法 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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