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2012年02月03日

独学院 予備罪の共同正犯から

今日も寒い。参りましょう。

<予備罪の共同正犯>

 予備罪の共同正犯とは、意思を連絡して予備行為を共同して行うことをいう。

≪事例≫

 Aは、甲殺害を計画していたBから、青酸カリの入手を依頼された。Aは、それが殺人の手段として用いられるであろうことを認識しながら、青酸カリを入手してBに与えたものの、Bは殺人の実行に出なかった。

 この場合、Aには、殺人予備罪の正犯が成立する。問題は、Bにいかなる犯罪が成立するのかである。このような事例において、判例は、AとBには殺人予備罪の共同正犯が成立するとした。

≪問題点≫

 犯罪共同説によると、共同正犯が成立するためには、「実行行為」を共同することが必要である。「実行行為」を厳格に捉えると、予備行為はそれに当てはまらないので、予備罪の共同正犯は認められないことになる。

≪否定説≫〜実行行為概念を厳格に解する考え方

 実行は未遂の段階で初めて問題となることから、未遂の前段階である予備に関して「実行」が問題となる余地はなく、したがって、予備罪の共同正犯が成立する余地はないことになる。

※ 43条の「実行」と60条の「実行」は、同一に理解するべきである。

≪肯定説≫〜実行行為概念を相対的に解する考え方

 未遂犯成立のための実行行為概念[43条の「実行」は「処罰時期」を確定するための概念であり、共犯成立の前提となる実行行為概念[60条の「実行」は「処罰範囲」を確定するための概念であるとして、両者の「実行」概念の相対性を認めた上で、予備罪についても、構成要件の修正形式としての実行行為を観念することができる。

※ 43条の「実行」と60条の「実行」は、同一でなくともよい。

■ Aは、甲を殺害する意思を持っていたBから、その真意を打ち明けられて甲殺害のための毒薬の入手方を依頼され、これに応じて毒薬をBに手交したが、Bは、その後、甲の殺害を思いとどまり、その毒薬を廃棄した。この場合、判例の趣旨に照らすと、Aは殺人予備罪の刑で処断される。

<解説>

 判例は、殺害目的で使用することを知りながら、毒物を交付したところ、交付された者が殺人を実行せずに殺人予備罪に終わった場合、交付者には殺人予備罪の共同正犯が成立するとする。
 しがたって、判例の趣旨に照らすと、設問のAは殺人予備罪[201条]の刑で処断される。

≪共謀共同正犯≫

 共謀共同正犯とは、2人以上の者が一定の犯罪を実行することを共謀し、その共謀者の一部の者が共謀に基づき犯罪を実行した場合には、自らは直接実行に出なかった者も含めて、共謀者全員に犯罪正犯が成立するというものである。

 共同正犯の構成要件は「共同実行の意思」と「共同実行の事実」であるが、共謀者のうち実行行為の一部を「共同実行の事実」があると言えるためには、共同行為者全員が実行行為の一部を分担する必要があるかという問題である。

 いわゆる「黒幕」と呼ばれる人物は、犯罪計画を主導しつつも、自らは直接実行行為を行わず、手下に手を下させるということが多い。仮に共謀共同正犯を認めないと、直接実行行為を行った手下は「正犯」となるものの、黒幕は「教唆犯」にとどまるという結果になる。共謀共同正犯の考え方は、犯罪を直接実行した者の背後にいて重要な役割をはたしている黒幕を正犯として処罰するために登場した考え方である。

 判例は、一貫して共謀共同正犯を肯定してきた。首謀者A他多数が、練馬警察署の巡査甲の襲撃を計画し、B以下数名が甲を襲撃して傷害を加え、まもなく現場で甲を死亡させたという事案において、直接的には襲撃に参加しなかった首謀者Aにも、傷害致死罪の正犯としての罪責を負わせた。

■ 数人が順次に連絡しあうことによって、共通した犯罪意思を形成する形態の共謀についても、共謀共同正犯理論は、適用される。

<解説>

 判例は、数人の共謀共同正犯が成立するためには、その数人が同一場所に会し、かつその数人間に1個の共謀の成立することを必要とするものではなく、甲と乙が共謀し、次いで乙と丙が共謀するというようにして、数人の間に「順次共謀」が行われた場合は、これらの者のすべての間に当該犯罪の共謀が行われたと解するを相当とする。としている。
 したがって、数人が順次に連絡しあうことによって、共通した犯罪意思を形成する形態の共謀についても、共謀共同正犯理論は、適用される。

<共謀関係からの離脱>

 「共謀関係からの離脱」とは、犯罪の共謀に加わった者が、翻意して犯罪をやめたいと思った場合、既に形成された共謀関係から離脱※することができるかという問題である。
 基本的には、他の共謀者による「実行着手前の離脱」か、他の共謀者による「実行着手後の離脱」かに分けて考えるべきだと解されている。

※ ここでいう「離脱」の意味について

 例えば、ABが強盗の共謀をしたとしても、その共謀に基づいてBが強盗を実行し財物を奪取したとすると、みずから直接実行していないAも、強盗罪の共犯としての罪責を負う(いわゆる「共謀共同正犯」)。
 ここでのAの「離脱」が認められると、それ以後にBが単独で強盗を実行したとしても、Aは、もはや既遂・未遂を問わず、罪責を負わないということになる。

≪事例≫

 A、B及びCは、刀で切りつける手段による甲の殺害を共謀した。しかし、Aは、人を殺すのが怖くなって、「殺し」は止めたいと考えている。

@実行着手前の離脱

 「離脱の意思を他の共謀者に表明し、その了承を得さえすれば」、離脱が認められる。

<例> Aは、甲殺害を実行に移す前に、Bにやっぱり止めたい旨を伝え、その了承を得たとすると、その後にBが単独で甲殺害を実行したとしても、Aには、もはや殺人罪の共謀共同正犯は成立しない[離脱OK]。

 ただし、「共謀者団体の頭領であった者」は、離脱の意思を表明するだけでは足りず、共謀がなかった状態に復元することが必要であると解されている。

 実行計画を発案したり、凶器を用意するなどした「リーダー格」の者であれば、単に「離脱の意思の表明」「他の共同者の了承」を得ただけでは、他の共同者に対する影響力を完全に除去したとは言えず、共謀関係を解消したことにならないからである。例えば、他の共同者らに実行継続を止めさせて立ち去らせるとか、用意した凶器を取り上げるなどの行為が必要である。

A実行着手後の離脱

 離脱の意思を表明し、他の共謀者の了承を得るだけでなく、積極的な結果防止行為によって、他の共謀者の行為継続を困難にして、当初の共謀に基づく実行行為が行われないようにする必要があると解されている。

<例> 当初の共謀の通り、AとBは刀で甲に切りつけたものの、甲はうまく身をかわしたため、カスリもしなかった。この時点で、Aは、人殺しが恐ろしくなって、離脱したくなった。この場合、Aは、単に離脱の意思を表明するだけでは足りず、Bのもつ刀を取り上げるなどしてBの殺害行為継続を阻止する必要がある。

つづく・・・
タグ:刑法
posted by 94条2項の類推適用されずじまい at 10:18| Comment(0) | 供託法 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2011年09月10日

独学院 仮差押解放金から

ささ 参りましょう。

 仮差押命令において、仮差押の執行の停止を得るため、又は既にした仮差押えの執行の取消しを得るために債務者が供託すべき金銭を仮差押解放金という。
 債務者が仮差押解放金に相当する金銭を供託したことを証明したときは、保全執行裁判所は、仮差押えの執行を取り消さなければならず、仮差押えの執行の効力は、本来の被仮差押債権に代わって、債務者が有する当該仮差押解放金の取戻請求権上に及ぶことになる。

仮差押解放金の供託

 仮差押解放金の供託は、仮差押命令を発した裁判所又は保全執行裁判所の所在地を管轄する地方裁判所の管轄区域内の供託所にしなければならない。
 仮差押解放金の供託をすることができる者は、その性質上、債務者に限られており、第三者による供託は認められない。また、仮差押解放金の供託における供託物は、金銭に限られる。

仮差押解放金の払渡し

(1)仮差押債権者から本執行としての差押えがされた場合

ア 他の債権者による差押え又は仮差押えの執行がされていない場合

 供託官は、差押債権者の取立権に基づく払渡請求に応じて払渡をすることができる。

イ 他の債権者による差押え又は仮差押えの執行がされている場合

 この場合における供託金の払渡しは、執行裁判所の配当等の実施としての支払委託に基づいて行われる。

(2)仮差押解放金の取戻請求権に対する仮差押の執行が効力を失った場合

 供託官は、債権者の取戻請求に応じて払渡をすることができる。

みなし解放金

 金銭債権に対して仮差押えの執行がされた場合において、第三債務者が仮差押えの執行がされた金銭の支払いを目的とする債権の額に相当する金銭を供託したときは、仮差押解放金を供託したものとみなされる。
 みなし解放金が供託されたときは、仮差押えの執行の効力は、本来の被仮差押債権に代わって、(執行)債務者が有する当該みなし解放金の還付請求権上に及ぶことになる。

みなし解放金の払渡し

(1)仮差押債権者から本執行としての差押さえがされた場合

ア 他の債権者による差押え又は仮差押えの執行がされていない場合

 供託官は、差押債権者の取立権に基づく払渡請求に応じて払渡をすることができる。なお、供託金のうち、みなし解放金の額を超える部分については、被供託者たる(執行)債務者から還付請求をすることができる。

イ 他の債権者による差押え又は仮差押えの執行がされている場合

 この場合における供託金の払渡しは、執行裁判所の配当等の実施としての支払委託に基づいて行われる。

(2)みなし解放金の還付請求権に対する仮差押えの執行が効力を失った場合

 供託官は、被供託者たる(執行)債務者の還付請求に応じて払渡しをすることができる。

仮処分解放金とその供託

 仮処分における保全すべき権利が金銭の支払いをもってその行使の目的を達成することができるものである場合に、仮処分の執行の停止を得るため、又は既にされた仮処分の執行の取消しを得るために債務者が供託すべき金銭を仮処分解放金という。
 債務者が仮処分解放金に相当する金銭を供託したことを証明した場合には、保全執行裁判所は、仮処分の執行を取消さなければならない。仮処分解放金の供託は、仮処分命令を発した裁判所又は保全執行裁判所の所在地を管轄する地方裁判所の管轄区域内の供託所にしなければならない。

仮処分解放金

 仮処分解放金には、一般型仮処分解放金と特殊型仮処分解放金の2種類がある。

(1)一般型仮処分解放金

 保全執行裁判所が仮処分命令において定めた仮処分解放金が供託された場合、当該供託金は仮処分の目的物に代わるものであることから、一般の仮処分にあっては、仮処分債権者がその供託金の還付請求権を取得することとなる。この場合の仮処分解放金を、一般型仮処分解放金という。

 一般型仮処分解放金が供託された場合において、仮処分の本案の勝訴判決が確定したとき又は同一内容の和解、調停等がされたときは、還付請求権について停止条件が成就するので、仮処分債権者は、直接供託所に対し還付請求権を行使することができる。

(2)特殊型仮処分解放金

 民法第424条第1項の規定による詐害行為の取り消し権を保全するための仮処分にあっては、仮処分解放金が供託された場合、当該供託金の還付請求権は、一般型仮処分解放金の供託の場合と異なり、詐害行為の債務者が取得することになる。この場合の仮処分解放金を、特殊型仮処分解放金という。

 特殊型仮処分解放金が供託された場合における仮処分債権者の権利実行は、仮処分の本案の勝訴判決等が確定した後に、仮処分債権者が詐害行為の債務者に対する債務名義により、詐害行為の債務者の取得した還付請求権に対する強制執行の方法によることになる。

つづく・・・
タグ:供託法
posted by 94条2項の類推適用されずじまい at 08:00| Comment(0) | 供託法 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2011年09月09日

独学院 事情届とは から

こんにちは、参りましょう。

 事情届とは、強制執行において、執行裁判所等による配当等の実施が予定されている金銭を供託した場合に、供託者が執行裁判所に対して、その事情を届け出ることをいう。

 なお、第三債務者である供託所に供託義務が生じるような場合、例えば、供託物払渡請求権に対する差押さえ等が競合したような場合において、供託金払渡請求に応ずることができるときは、供託官はその払渡請求に係る供託金を再度供託しなおす必要はないが、執行裁判所等に対して事情届をしなければならないものとされている。
 「払渡請求に応ずることができるとき」とは、例えば弁済供託において、還付請求権にあっては、差押債権者又は債務者から(1)供託所に対して供託受諾書若しくは供託を有効と宣言した確定判決の謄本が提出されたとき、又は(2)受諾による還付請求があったとき、取戻請求にあっては、差押債権者又は債務者から不受諾による取戻請求があったときがこれに当たる。

事情届の届出先

(1)金銭債権に対して強制執行による差押えがされた場合における供託

 権利供託であるか義務供託であるかを問わず、金銭債権に対して強制執行による差押えがされたことにより第三債務者が執行供託する場合には、第三債務者は、(先に差押え命令を発した)執行裁判所に事情届をしなければならない。

(2)金銭債権に対する仮差押えの執行等が競合した場合における供託

 金銭債権に対して仮差押えの執行が競合したことにより第三債務者が執行供託する場合には、第三債務者は、先に仮差押命令を発した保全執行裁判所に事情届をしなければならない。
 また、金銭債権に対して仮差押えの執行がされた後、更に他の債権者から差押えがされ差押え等が競合した場合には、第三債務者は、差押命令を発した執行裁判所に事情届をしなければならない。

(3)滞納処分と強制執行が競合した場合における供託

ア 滞納処分による差押えが先行する場合

 滞納処分による差押えが金銭債権について、更に強制執行による差押えがされ、差押えが競合したため、第三債務者が執行供託する場合には、第三債務者は、徴収職員等に事情届をしなければならない。

イ 強制執行による差押えが先行する場合

 強制執行による差押えがされた金銭債権について、滞納処分による差押えがされ、差押えが競合したため、第三債務者が執行供託する場合には、第三債務者は、先に差押え命令を発した執行裁判所に事情届をしないければならない。

(4)滞納処分と仮差押えの執行が競合した場合における供託

 金銭債権について滞納処分による差押えと仮差押えの執行とが競合したことにより第三債務者が執行供託する場合には、第三債務者は、徴収職員等に事情届をしなければならない。

つづく・・・
タグ:供託法
posted by 94条2項の類推適用されずじまい at 13:10| Comment(0) | 供託法 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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