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2012年03月02日

独学院 有価証券偽造罪から

参りましょう。

<有価証券偽造罪>

 行使の目的で、公債証書、官庁の証券、会社の株券その他の有価証券を偽造し、又は変造した者は、3月以上10年以下の懲役に処せられる[162条1項]。

 有価証券偽造罪の罪は、有価証券に対する公共の信用を保護するものである。

<有価証券偽造罪の構成要件>

 本罪の客体である「有価証券」とは、財産上の権利が証券に表示されており、その表示された権利の行使又は処分につき証券の所持を必要とするものをいう。

 手形・小切手、化物引換証等、商法上の有価証券のほか、鉄道乗車券、定期券、宝くじ、商品券等がこれにあたる。
 これに対し、郵便預金通帳、無記名預金証書は、有価証券ではないとされている。権利の行使に必ずしも証券の所持を必要とせず[他の方法で証明できれば権利を行使できる]、証券に権利が化体するものではないからである。これらは、その性質により公文書偽造罪又は私文書偽造罪の客体となる。

 本罪の行為は、行使の目的で、偽造又は変造することである。

 「行使の目的」とは、真正な有価証券として使用する目的をいう。他人に対して流通させる目的は必要ない。

 「偽造」とは、作成権限のない者が、他人の名義を冒用して有価証券を作成することである。架空名義の有価証券を作出する場合でも、行使の目的をもって外形上一般人が真正な有価証券であると誤信する程度に作成されていれば、有価証券に対する公共の信用を害するので、偽造にあたるとされる。

 「変造」とは、作成権限のない者が、真正に成立している他人名義の有価証券の非本質的部分に変更を加えることをいう。

<有価証券偽造罪に関する判例[要旨]>

◆≪大判T12.2.15>
 期間経過により無効となった鉄道乗車券の、なお有効であるかのように装うための終期に改竄は、有価証券の「偽造」にあたる。

◆≪最判S39.12.25≫
 廃業後に死亡した者の名義での約束手形の振り出しは、相続人の承諾を得ていても、有価証券偽造罪が成立する。

◆≪大判T3.5.7≫
 手形の振出日付や受付日付の改竄は、有価証券の「変造」にあたる。

◆≪最判S36.9.26≫
 小切手の金額欄の数字の改竄は、有価証券の「変造」にあたる。

◆テレホンカードの有価証券性

 テレホンカードの中核は、磁気部分であり、可視性・可読性をもたない電磁的記録にすぎないから、有価証券にあたらないのではないか。

≪肯定≫判例

 テレホンカードについては、磁気情報部分並び券面上の記載[作成名義人、通話可能度数]及び外観を一体としてみれば、電話の役務の提供を受ける財産上の権利がその証券上に表示されていると認められ、かつ、これをカード式公衆電話に挿入することにより使用するものであるから、テレホンカードは有価証券に当たると解するのが相当である。→磁気情報部分に記録された通話可能度数を権限なく改ざんすれば、有価証券変造罪[162条1項]が成立する。
 なお、テレホンカード等のプリペイドカードの偽造・変造は、平成13年改正で新設された支払用カード電磁的記録不正作出等罪[163条の2]の対象となったことで、上記の判例の意義はほとんど失われたといえる。

<有価証券虚偽記入罪>

 行使の目的で、有価証券に虚偽の記入をした者も、有価証券偽造罪と同様に処せられる[162条2項]。

 「虚偽の記入」とは、既成の有価証券に対すると否とを問わず、有価証券に真実に反する記載をするすべての行為をいう。
 判例は、自己名義によるものか他人名義によるものか、つまり作成権限の有無を問わないとする。
 ただし、有価証券の基本的な振出し行為に関するものについては、虚偽記入ではなく有価証券偽造にあたるとする。

◆≪大判T14.9.25≫
 設立が無効の会社の登記上の取締役が作成した株券は、会社の設立登記がある以上、刑法上の有価証券に該当し、株主名簿・資本金額・一株の金額・その払込なることを記入した時は、有価証券虚偽記入罪が成立する。

<偽造有価証券行使罪>

 偽造若しくは変造の有価証券又は虚偽の記入がある有価証券を行使し、又は行使の目的で人に交付し、若しくは輸入した者は、3月以上10年以下の懲役に処せられる[163条1項]。

 「行使」とは、偽造有価証券を真正なものとして、また、虚偽記入の有価証券を真実を記載したもののように装って使用することをいう。
 本罪の行使は、偽造通貨行使罪のように流通に置くことを必要としない。したがって、単に資力を仮装する目的で呈示する場合も、行使に当たる。

 解釈上、単に保管を依頼しただけの場合には、それが偽造有価証券であっても、いまだ公共の信用を害するまでには至っていないとの理由から、「行使」に該当しないとされている。

 「行使」と「交付」は、同一の刑罰であるが条文上、区別されている。相手方が偽造有価証券であることの事情を知らない場合が行使、相手方がそれを知っている場合は交付となる。

つづく・・・
ラベル:刑法各論
posted by 94条2項の類推適用されずじまい at 10:36| Comment(0) | 刑法 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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