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2012年02月14日

独学院 堕胎罪から

参りましょう。

<堕胎罪>

 堕胎罪とは、自然の分娩期に先立って人為的に胎児を母体から分離させる行為を内容とする犯罪である。
 第一次的には胎児の生命・身体の安全を、第二次的には母体の生命・身体の安全を保護法益とする。
 堕胎罪が成立するには、堕胎の結果、胎児が死亡したか否かは問題にならず、堕胎の方法にも制限はない。

 堕胎罪には、次のものがある。

@ 自己堕胎罪「212条」・・・妊娠中の女子が自ら堕胎する場合
A 同意堕胎罪「213条」・・・女子の嘱託・承諾があって堕胎する場合
B 業務上堕胎罪「214条」・・・医師、助産師、薬剤師又は医薬品販売業者が妊婦の嘱託・承諾があって堕胎する場合
C 不同意堕胎罪[215条]・・・女子の嘱託・承諾なく堕胎する場合

 自己堕胎罪以外の堕胎罪については、堕胎の結果、女子に死傷が生じた場合の結果的加重犯の定めがある。

<遺棄罪>

 老年、幼年、身体障害又は疾病のために扶助を必要とする者を遺棄した者は、1年以下の懲役に処せられる[217条]。
 遺棄罪は、人の生命・身体の安全を保護法益とする犯罪である。

 遺棄罪の客体は、扶助を必要とする者[要扶助者]である。すなわち、老年、幼年、身体障害又は疾病によって精神上又は身体上の欠陥があり、他人の扶持助力がなければ、自ら日常の生活を営むべき動作をすることができない者をいう。

 「遺棄」とは、要扶助者を場所的に移転することと解されている。要扶助者を場所的に移転して生命・身体に危険を生じさせれば足り、現実に生命・身体に危険を生じさせたことは必要ではない。

 故意は、要扶助者を生命・身体に危険な場所に移転することの認識があれば足りる。

<保護責任者遺棄罪>

 老年者、幼年者、身体障害者又は疾病を保護する責任のある者がこれらの者を遺棄し、又はその生存に必要な保護をしなかったときは、3月以上5年以下の懲役に処せられる[218条]。

 保護責任者遺棄罪は、遺棄罪と同様、人の生命・身体の安全を保護法益とする犯罪であるが、行為者が乳幼児の親等、要扶助者を保護する責任のある者であるため、遺棄罪よりも刑が加重されている「身分犯」。

<保護責任者遺棄罪の構成要件>

 本罪の主体は、老年者、幼年者、身体障害者又は疾病を保護する責任のある者である。保護責任は、法令[民法による親の子に対する監護義務等]や契約[寝たきりの老人との介護契約等]に基づくもののほか、事務管理、慣習・条理に基づくものである。
 判例は、自動車の運転者が過失により通行人に歩行不能の重傷を負わせた場合に、運転者は保護責任者として被害者を保護すべき義務があるとした。これは、道路交通取締役等に定める救護義務、過失により重傷を負わせた先行行為[条理]に基づいて保護責任を認めたものと解される。

 本罪の行為は、「遺棄」又は[生存に必要な保護をしないこと」である。
 「遺棄」には、要扶助者を場所的に[移転]する行為のほか、要扶助者を従来の場所に置いたままで立ち去る[置き去り]も含まれると解されている。
 [生存に必要な保護をしない」とは、場所的隔離をともなわずに、要扶助者の日常生活における行動に必要な保護を与えないことをいう。例えば、親が乳幼児にミルクを与えない行為がこれにあたる。

 故意は、要扶助者を生命・身体に危険な場所に移転すること、置き去りにすること又は生存に必要な保護をしないことの認識である。また、保護責任の基礎となる事実「川でおぼれかけている子供が自分の子供である等」を認識していることも必要である。

<遺棄致死傷罪>

 遺棄罪又は保護責任者遺棄罪の罪を犯し、よって人を死傷させた者は、傷害の罪と比較して、重い刑により処断される。
 本罪は、遺棄罪及び保護責任者遺棄罪の結果的加重犯である。
 傷害の結果が生じた場合には、傷害罪[15年以下の懲役又は50万円以下の罰金]、死亡の結果が生じた場合には、傷害致死罪[3年以上の有期懲役]の法定刑を、遺棄罪[1年以下の懲役]または保護責任者遺棄罪[3月以上5年以下の懲役]の法定刑と比較して、法定刑の上限と下限について重い方の刑が科せられる。

 具体的には次のようになる。

@ 遺棄罪の結果障害が生じた場合・・・1月以上15年以下の懲役
A 遺棄罪の結果死亡させた場合・・・3年以上20年以下の懲役
B 保護責任者遺棄罪の結果傷害が生じた場合・・・3月以上115年以下の懲役
C 保護責任者遺棄罪の結果死亡させた場合・・・3年以上20年以下の懲役

つづく・・・
タグ:刑法各論
posted by 94条2項の類推適用されずじまい at 18:20| Comment(0) | 刑法 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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