にほんブログ村 資格ブログ 司法書士試験へ
にほんブログ村
人気ブログランキングへ

何の記事を読むか、クリックしてね。

憲法 民法 民事保全法 民事訴訟法 民事執行法 供託法

不動産登記法 商業登記法 会社法 刑法


2012年02月10日

独学院 没収から

参りましょう。

<没収>

 没収とは、物について、その所有権を剥奪して国庫に帰属させる処分である。没収は付加刑であり、主刑を言い渡す場合にのみ言い渡すことができる。

 没収の趣旨は、当該物件から再び犯罪が起こることをの防止ということと、犯罪から得た利益を不当に犯罪者に得させないように、国家がこれを剥奪しようということの2つの理由に基づいていると解されている。

 没収には、任意的没収と必要的没収の2つがある。任意的没収とは、没収の要件を満たしていても、対象物を没収するしかしないかは、裁判官の裁量に委ねられているものをいう。必要的没収とは、要件を満たしている限り、必ず対象物を没収しなければならないものをいう。

 任意的没収の一般規定として19条がある。必要的没収については、刑法各論や特別法に規定されている。それらは、一般法である19条の特別法といえる。必要的没収の典型例として、賄賂の没収がある[197条の5]

<没収の対象物>

 没収の対象となるのは、次の4種のものである。

@ 犯罪行為を組成した物[組成物件][1号]
たとえば、偽造文書行使罪における偽造文書や賭博罪における賭金がこれにあたる。

A 犯罪行為の用に供し、または供しようとした物[供用物件][2号]
たとえば、殺人にもちいた凶器がこれにあたる。しかし、被害者を足蹴にしたときに履いていた靴は、犯人がこれを犯行の用に供する意思で着用していたのではなく、たまたま犯行に役立ったにすぎないのであるから、供用物件にはあたらない。

B 犯罪行為によって生じた物[生成物件]、犯罪行為によって得た物[取得物件]または犯罪行為の報酬として得た物[報酬物件][3号]
 生成物件の例としては、通貨偽造罪における偽造通貨、取得物件の例として、恐喝行為によって得た証書、報酬物件の例として、殺人行為の謝礼金等を挙げることができる。

C 3号に掲げる物の対価として得た物[対価物件][4号]
 たとえば、盗品等の売却代金がこれにあたる。

<没収の要件>

@ 対象物が存在すること

 没収の対象となり得る物は、原則として、19条1項に規定された物自体でなければならない。その物が滅失した場合や、その物との同一性が失われた場合は、没収することができない。金銭は、両替しても同一性を失わないので、没収することができる。
 また、主物を没収する場合には、従物も没収できる。たとえは、刀を没収するときは、その鞘も没収できる。

A 対象物が犯人以外の者に属していないこと

 没収は、犯人以外の者に属しない物に限り、これをすることができる[19条2項本文]。ただし、犯人以外の者に属する物であって、犯罪の後に犯人以外の者が情を知って取得したものであるときは、これを没収することができる[同条同項ただし書き]。
「犯人」には、共犯者も含まれる。

B 拘留・科料のみにあたる罪でないこと

 拘留又は科料のみにあたる罪については、特別の規定がなければ、没収をすることができない。ただし、組成物件の没収については、この限りではない。
 「拘留又は科料のみにあたる罪」とは、法定刑として拘留又は科料のみが規定されている罪をいい、侮辱罪[231条]がこれにあたる。


■ 犯人の所有に属する物件のうち、賄賂として提供したが受領を拒絶された金であっても没収することができる。

<解説>

 受領を拒絶されたとしても、賄賂として提供した金は、犯罪の用に「供しようとした物」として没収の対象となる。
 したがって、犯人の所有に属する物件のうち、賄賂として提供したが受領を拒絶された金であっても没収することができる。

■ 犯人の所有に属する物件のうち、殺人に使用した刀のさやも没収することができる。

<解説>

 殺人に使用された刀自体は、犯罪行為に供した物[供用物件]として没収することができる。
 そして、主物を没収する場合には、従物も没収できる。判例も、刀を没収するときは、その鞘も没収することができるとする。したがって、犯人の所有に属する物件のうち、殺人に使用した刀のさやも没収することができる。

■ 強制執行を免れるために通謀して仮装譲渡した自家用車は、刑法上の没収の対象になる。

<解説>

 設問のような、強制執行を免れるために自家用車を他人と通謀して仮装譲渡する行為については、強制執行妨害罪が成立する[96条の2]。したがって、設問の仮装譲渡された自家用車は、犯罪行為を組成した物[組成物件]として、刑法上の没収の対象となる。

■ 賭博で得た金銭を自己の銀行口座に預託して得た預金利子は、刑法上の没収の対象にならない。

<解説>

 とばくで得た金銭自体は、犯罪行為によって得た物[取得物件]として没収できる。しかし、賭博で得た金銭を自己の銀行口座に預託して得た預金利子は、19条1項各号のいずれにも該当しないと言わざるを得ない。
 したがって、賭博で得た金銭を自己の銀行口座に預託して得た預金利子は、刑法上の没収の対象にならない。

■ 違法な堕胎手術に対する報酬として得た金銭は、刑法上の没収の対象になる。

<解説>
 
 違法な堕胎手術は犯罪であるから、その報酬として得た金銭は、「犯罪行為の報酬として得た物」として没収の対象となる。


<追徴>

 追徴とは、没収が不可能な場合に、それに代わる一定の金額を国庫に納付すべきことを命ずる処分をいう。刑罰ではないが、付加刑としての没収に準ずる。
 19条の2が規定する追徴は、任意的追徴であるが、没収と同様、追徴が必要的であるとされる場合がある。
 追徴額の算定基準時について、判例によれば、没収に代えて追徴すべき金額は、その物の授受当時の価額によるとされる。

つづく・・・
タグ:刑法
posted by 94条2項の類推適用されずじまい at 11:54| Comment(0) | 刑法 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
この記事へのコメント
コメントを書く
お名前:

メールアドレス:

ホームページアドレス:

コメント:

トップページへ
×

この広告は1年以上新しい記事の投稿がないブログに表示されております。