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2011年10月31日

独学院 二重起訴の禁止から

おはっす。参りましょう。

<二重起訴の禁止>

 裁判所に係属する事件については、当事者は更に訴えを提起することができない。これを二重起訴(重複訴訟)の禁止という。
 係属中の事件と同一の事件につて別訴の提起を認めると、被告に二重の応訴の煩を強いることになる。また、重複した審理は不経済であるばかりか、同一事件について矛盾した判断がなされる危険性がある。そこで法142条は、二重起訴の禁止について規定したのである。

<二重起訴の判断基準>

 二重起訴(重複訴訟)の禁止において、事件が同一であるかどうかは、(1)「当事者の同一性」と(2)「訴訟物(=請求)の同一性」について判断する必要がある。これは事件が、当事者という人的要素と訴訟物という物的要素によって構成されていることに基づく。

(1)当事者の同一性

 判決の効力は原則として当事者にのみ及ぶので、当事者の同一性が要求されたものである。この趣旨から、判決効との関係で当事者と同視される関係にある者(たとえば、当事者のために請求の目的物を所持する者)は、同一の当事者というべきとされる。

(2)訴訟物の同一性

 訴訟物そのものでなくても、訴訟物の内容となる権利関係の同一性があれば、判決の矛盾は生じうるので、二重起訴にあたると解されている。

 二重起訴(重複訴訟)の禁止における、訴訟物の同一性については、訴訟物理論をいかに解するかによって違いが出てくる。

 たとえば、前訴がAからBに対する所有権に基づく特定物の返還請求権を主張したものであり、後訴がAからBに対する同一物についての占有権に基づく返還請求権を主張した場合、旧訴訟物理論からは、両者は実体法上異なった権利を主張するものであって、訴訟物が異なるから、後訴の提起は二重起訴の禁止には反しないことになる。
 これに対して、新訴訟物理論からは、両者はもとに「特定物の返還を請求する法的地位」の主張を訴訟物とするので、訴訟物は同一であり、後訴の提起は二重起訴の禁止に反することになる。

●AがBに対して提起した不動産の所有権確認訴訟の係属中に、AがCに対し、同一の不動産に関して所有権確認の別訴を提起することは、重複起訴の禁止に反しない。

<解説>

 裁判所に係属する事件については、当事者は更に訴えを提起することができない。法142条が事件が同一であるかどうかは、(1)当事者の同一性と(2)訴訟物(=請求)の同一性について判断する必要がある。
 当事者の同一性については、判決の効力は原則として当事者のみに及ぶので、要求されたものである。訴訟物の同一性については、訴訟物そのものでなくても、訴訟物の内容となる権利関係の同一性があれば、判決の矛盾は生じうるので、二重起訴にあたると解されている。
 設問では、同一不動産に関する所有権確認という訴訟物の内容となる権利関係は同一であるが、当事者である被告は前訴ではBであり、後訴ではCであるから、当事者の同一性を欠く。
 したがって、142条の同一の事件とはいえず、重複起訴の禁止に反しないことになる。

●AがBに対して提起した貸金債務不存在確認訴訟の係属中に、BがAに対し、同一の貸金債権に関して貸金返還請求の別訴を提起することは、重複起訴の禁止に反する。

<解説>

 裁判所に係属する事件については、当事者は更に訴えを提起することができない(民訴142条)。これを二重起訴(重複訴訟)の禁止という。
 法142条の事件が同一であるかどうかは、当事者の同一性と訴訟物(=請求)の同一性について判断する必要がある。これは事件が、当事者という人的要素と訴訟物という物的要素によって構成されていることに基づく。訴訟物の同一性については、訴訟物そのものでなくても、訴訟物の内容となる権利関係の同一性があれば、判決の矛盾は生じうるので、重複起訴にあたると解されている。
 設問では、前訴と後訴は原告と被告が入れ替わっただけであり、当事者は同一である。また、前訴は貸金債務不存在確認訴訟、後訴は貸金返還訴訟であるから、訴訟物はことなるので重複起訴の禁止に反しないように思える。
 しかし、前訴と後訴で矛盾した判断がなされる可能性もある。
 したがって、設問の貸金返還請求の別訴の提起は重複起訴にあたり、重複起訴の禁止に反するといえる。

●判例の趣旨に照らすと、AがBに対し、債権者代位権に基づきCに代位して提起した貸金返還請求訴訟の係属中に、CがBに対し、同一の貸金債権に関して貸金返還請求の別訴を提起することは、重複起訴の禁止に反する。

<解説>

 裁判所に係属する事件については、当事者は更に訴えを提起することができない。これを二重起訴(重複訴訟)の禁止という。
 法142条の事件が同一であるかどうかは、(1)当事者の同一性と(2)訴訟物(=請求)の同一性について判断する必要がある。
 Aの債権者代位訴訟と債務者Cの提起した別訴は、訴訟物は同一であるが、当事者は異なるといえる。しかし、債権者Aによる代位訴訟は、法定訴訟担当の1つであり、債権者Aに対する判決の効力は債務者Cにも及ぶ。そこで、判決の矛盾が生じる可能性があるので、当事者の同一性を認めるべきである。
 したがって、代位訴訟係属中に、債務者Cが自己の債権に基づき第三債務者に対して訴えを提起することは、重複起訴の禁止に反する。

●判例の趣旨に照らすと、裁判所は、重複起訴の禁止に反する場合には、その旨の被告の抗弁が主張されなくても、訴えを却下することができる。

<解説>

 裁判所に係属する事件については、当事者は、更に訴えを提起することができない。
 同条に反する場合、すなわち、後訴が前訴と重複起訴の関係にある場合、後訴は不適法となる。被告からの抗弁を待って初めて不適法となるわけではない。
 したがって、重複起訴の禁止に反するか否かは、裁判所の職権調査事項であり、重複起訴の禁止に反する場合には、その旨の被告の抗弁が主張されなくても、訴えを却下することができる。

●二重起訴の禁止に関して、同一債権の数量的一部を請求する前訴が係属中に後訴で残部を請求することは、前訴で一部請求であることを明示した場合を除き許されない、というのは判例の趣旨に反しない。

<解説>

 裁判所に係属する事件については、当事者は更に訴えを提起することができない。
 判例は、全部請求である旨主張して勝訴判決を得た原告が、前訴は一部請求であってとして訴えを提起した事案につき、後訴は前訴の既判力に抵触して許されないといした。これに対して、1個の債権の数量的な一部である旨が明示されている場合、訴訟物は明示された一部のみであり、当該一部請求についての確定判決の既判力は残部の請求には及ばないとしている。

●判例の趣旨に照らすと、AがBに対して提起した貸金返還請求訴訟の係属中に、別訴において、Aが同一の貸金返還請求権を自動債権として相殺の抗弁を主張する場合にも、重複起訴の禁止の趣旨は妥当し、当該抗弁を主張することはできない。

<解説>

 裁判所に係属する事件については、当事者は、更に訴えを提起することができない。(民訴142条、重複起訴の禁止)。
 判例は、係属中の別訴において訴訟物となっている債権を自動債権として、他の訴訟において相殺の抗弁を主張することは許されないとする。その理由として判例は、同条が二重起訴を禁止する理由は、審理の重複による無駄及び複数の判決による既判力の抵触を防止するためであるが、相殺の抗弁は既判力を有するから、同条の趣旨は、同一債権について重複した訴えが係属した場合のみならず、既に別訴において訴訟中の債権を他の訴訟において自働債権として相殺の抗弁を提出する場合にも同様に妥当するからであるとする。

つづく・・・
 
タグ:民事訴訟法
posted by 94条2項の類推適用されずじまい at 10:33| Comment(0) | 民事訴訟法 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2011年10月30日

独学院 訴えの提起の方法から

こんばんは。参りましょう。

<訴えの提起の方法>

 訴えの提起は、訴状を裁判所に提出してしなければならない。例外として、簡易裁判所に対する訴えの提起は、口頭ですることができる。
 訴状には、必要的記載事項を記載することの他、作成者である原告またはその代理人が記名押印して、訴額に応じた手数料の額の収入印紙を貼り(民事訴訟費用等に関する法律4条・8条)、被告に送達するため、被告の数に応じた副本を提出しなければならない。

<訴状の記載事項>

 訴状の必要的記載事項については、法133条2項に規定されている。すなわち、訴状には、(1)当事者および法定代理人、(2)請求の趣旨、(3)請求の原因を記載しなければならない。

(1)当事者及び法定代理人

 原告及び被告が他の者から識別できる程度に特定されなければならない。氏名・住所・商号等の表示によるのが通常である。
 当事者が法定代理人により代理される者である場合、または法人の場合には、訴訟行為をする者を明確にするために、法定代理人、代表者を表示しなければならない。

(2)請求の趣旨

 請求の趣旨とは、訴えによって求める審判内容の確定的な表示をいう。通常、原告の請求を認容する判決の主文に対応する文言が用いられる。
 たとえば、「被告は原告に対し金300万円を支払え、との判決を求める」とか、「原告は、東京都○○区○町○丁目○番○号の土地につき、所有権を有することを確認する。との判決を求める。」といったものである。

(3)請求の原因

 請求の原因とは、請求の趣旨と相まって請求を特定するのに必要な限度での事実をいう。たとえば、「被告は原告に対し金300万円を支払え、との判決を求める。」という請求の趣旨のみでは、請求は特定しないので、「平成13年12月12日成立の金銭消費貸借契約」云々という事実の記載が必要となる。

<訴訟上の救助>

 訴状には、訴額に応じた手数料の額の収入印紙をはらなくてはならない。この手数要は、最終的に敗訴の当事者の負担となるが、訴訟が終審するまでは、各当事者が支出することになる。
 また、訴訟の維持継続には、この手数料のほかに、書類の送達日や準備書面の作成費や提出費、はたまた当事者・代理人の出頭費や、証人の旅費などの費用がかかるのが通常であり、訴訟が長期化すれば、なおさら当事者の負担は増大する。
 これらの当事者の経済的負担を軽減させるために、裁判所は、裁判費用等の支払を一時的に猶予することなどを決定することができる。これを訴訟上の救助という。すなわち、訴訟に必要な費用を支出する資力がない者や支出が困難な者に対して、裁判所は、勝訴の見込みのないとはいえないときに限り、書面又は口頭の申立てにより決定で訴訟上の救助を付与することができる。

●訴えの提起は、書面によらなくても良い場合がある。

<解説>

 訴えの提起は、訴状という書面を裁判所に提出して行うのが原則である。ただし、簡易裁判所に対して訴えを提起する場合には、口頭によって訴えを提起することができるとされている。簡易裁判所においては、簡易な手続により迅速に紛争を解決するものとされているからである。

●原告が訴えを提起した後、その請求額を拡張したときは、手数料を追加して納めなければならない。

<解説>

 原告が訴えを提起した後に請求額を拡張した場合には、拡張後の請求について算出して得た額から拡張前の請求に係る手数料の額を控除した額の費用を納めなければならない。

●訴訟上の救助の決定を受けた者が訴訟上の救助の決定の要件を欠くに至ったときは、訴訟記録の存する裁判所は、いつでも訴訟上の救助の決定を取り消し、猶予した費用の支払を命ずることができる。

<解説>

 訴訟上の救助の決定を受けた者が、訴訟上の救助の要件を欠くことが判明し、又はこれを欠くに至ったときは、訴訟記録の存する裁判所は、利害関係人の申立てにより又は職権で、決定により、いつでも訴訟上の救助の決定を取り消し、猶予した費用の支払を命ずることができる。

<訴えの提起の効果>

 訴えの提起によって、訴訟係属が生じる。これにより、実体法上及び訴訟上種々の効果が生じるが、中でも最も重要な効果が、二重起訴(重複基礎)の禁止である。
 訴訟係属とは、訴えの提起によって、原告・被告間の特定の請求が、特定の裁判所で判決手続により審判されるという状態が生じうることをいう。
 また、裁判所に係属する事件については、当事者は更に訴えを提起することができない。これを二重起訴(重複起訴)の禁止という。

●訴えによる時効中断の効力は、訴状を裁判所に提出した時に生じる

<解説>

 民法は、「裁判上の請求」に時効の中断の効力を付与したが、時効の中断の発生時期については明文規定を置いていない。
 この点について民事訴訟法は、時効の中断に必要な裁判上の請求は、原則として、「訴えを提起した時」、すなわち、訴状を裁判所に提出した時にその効力を生ずると規定している。

<訴訟係属>

 訴訟係属とは、訴えの提起によって、原告・被告間の特定の請求が、特定の裁判所で判決手続により審判されるという状態が生じることをいう。
 訴訟係属の発生時期については争いがあるが、被告への訴状が送達された時と解するのが通説である。民事訴訟は、紛争解決のための手続であるからニ当事者対立構造が要求されるが、被告に訴状が送達されて初めてニ当事者対立構造が生じることを理由とする。

つづく・・・ 
タグ:民事訴訟法
posted by 94条2項の類推適用されずじまい at 21:22| Comment(0) | 民事訴訟法 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2011年10月29日

独学院 訴えの併合から

おはっす。参りましょう。

<訴えの併合>

 訴えの併合とは、固有の意味では、原告が当初から1つの訴えで複数の請求について審理を申し立てることをいう(訴えの客観的併合)。

 訴えの客観的併合が認められるための要件としては次のものがある。

(1)数個の請求が、同種の訴訟手続により審判されるものであること。
(2)法律上、併合が禁止されていないこと。
(3)各請求について、受訴裁判所に管轄権があること。

 併合の態様としては、単純併合、予備的併合、選択的併合がある。

<単純併合>

 訴えの併合の態様としては、単純併合、予備的併合、選択的併合がある。

 単純併合とは、併合された数個の請求につき、他の請求の当否とは無関係に、すべての請求について審判を求める場合をいう。
 たとえば、売買代金支払請求と貸金返還請求を併合した場合のように相互に無関係の場合はもちろんのこと、建物明渡請求と明渡しまでの賃料相当の損害金請求を併合する場合のように、相互に関連する場合を含む。

<予備的併合>

 訴えの併合の態様としては、単純併合、予備的併合、選択的併合がある。

 予備的併合とは、法律上両立し得ない複数の請求に順位を付けて、第1次(主位請求が認められなければ、第2次(副位、予備的)請求の認容を求めるという形式の併合をいう。
 例えば、売買代金を請求するとともに、売買契約が無効と判断される場合を考えて、あらかじめ、既に引渡した売買の目的物の返還を請求しておく場合である。このように数個の請求が相互に両立し得ない場合に、請求に順位を付けることにより相互の矛盾を避けつつ、効率的な審判を可能とする併合形態である。

<選択的併合>

 訴えの併合の態様としては、単純併合、予備的併合、選択的併合がある。

 選択的併合とは、法律上両立し得る数個の請求のうち、いずれか1つが認容されれば、他の請求について審理を求めないとする形式の併合である。
 たとえば、所有権と占有権に基づいて同一の物の引渡しを請求する場合や、債務不履行と不法行為とに基づいて損害賠償請求をする場合がある。
 選択的併合の場合には、裁判所は1つの請求を認容する限り、他の請求を判断する必要はない。ただし、原告を敗訴させるときは、併合された請求の全部について審判しなければならない。

<訴えの変更>

 訴えの変更とは、訴訟継係属中に原告が当初の訴えによって申し立てた審判事項を変更することをいう。
 訴えの変更には、従来の旧請求に新請求を追加する「追加的変更」と、従来の旧請求にかえて新請求を提示する「交換的変更」とがある。
 当初の訴えが審理の途中で不適切と判断された場合、原告に対して常に別訴の提起を要求するならば、それまでの審理が無駄となり、当事者特に原告にとって不便であるし、訴訟経済の観点からも妥当ではない。そこで、訴えの変更が認められたのである。

 法143条は、訴えの変更が認められるための以下のような要件を設けている。

(1)請求の基礎に変更がないこと
(2)著しく訴訟手続を遅延させないこと
(3)事実審の口頭弁論終結前であること

●訴えの変更は、相手方の同意を要しない。

<解説>

 訴えの変更は、請求の基礎に変更がなく、かつ、著しく訴訟手続を遅滞させることがない限り、口頭弁論終結時まで行うことができる。請求の基礎に変更がないならば、相手方としても防御等について不測の損害を被るおそれはないからである。
 したがって、訴えの変更をするには相手方の同意を要しない。

●訴えの変更を許さない旨の決定については、当事者に申立権がある。

<解説>

 裁判所は、請求又は請求の原因の変更を不当であると認めるときは、申立てにより又は職権で、その変更を許さない旨の決定をしなければならない。
 したがって、訴えの変更を許さない旨の決定については、当事者に申立権がある。

●訴えの変更が著しく訴訟手続を遅滞させる場合は、相手方が同意し、又は異議を述べない場合であっても、訴えの変更は許されない。

<解説>

 法143条1項ただし書きは、訴えの変更はそれが著しく訴訟手続を遅滞させることになるときは許されないとする。これは、公益を理由とする要件なので、相手方が同意していても訴えの変更は認められない。

<反訴>

 反訴とは、係属中の訴訟手続内で、被告から原告を相手方として提起する訴えをいう。
 原告には、訴えの変更・客観的併合が認められることから、被告にも同一手続内での反訴を認めることが、当事者間の公平を図ることになるし、裁判の矛盾を回避することにもなることから、認められた。

 反訴が認められるための要件として次のものを挙げることができる。

(1)反訴請求が、本訴請求又はこれに対する防御方法と関連するものであること。
(2)本訴が事実審に係属し、口頭弁論終結前であること。
(3)著しく訴訟手続を遅延させないこと。
(4)反訴請求について、他の裁判所の専属管轄に属しないこと。(本訴が特許権等に関する訴えに係る訴訟である場合には、反訴請求が他の裁判所の専属管轄に属するときであっても、反訴を提起することができる。)

●地方裁判所の訴訟手続においては、口頭で反訴を提起することはできない。

<解説>

 反訴については、訴えに関する規定による。そして、地方裁判所に対する訴えの提起は、訴状を裁判所に提出して行わなければならない。
 したがって、地方裁判所の訴訟手続においては、口頭で反訴を提起することはできない。

●反訴は、相手方当事者の同意がなくても、提起することができる。

<解説>

 反訴を提起するには、相手方当事者の同意は不要である。これは、反訴請求が本訴の請求または防御の方法と関連することを要求されており、本訴と同一の訴訟手続で審理されることから、相手方当事者にとっても、不利益とはいえないからである。
 ただし、控訴審における反訴の提起は、相手方の同意がなければすることはできない。これは相手方(本訴原告)の審級の利益を保護する趣旨に基づく。

●控訴審においても、相手方の同意があるときは、反訴を提起することができる。

<解説>

 控訴審においては、反訴の提起は、相手方の同意がある場合に限り、することができる。これは、相手方(本訴原告)の審級の利益を保護する趣旨に基づく。したがって、相手方が異議を述べないで反訴について応訴したときは、反訴の提起に同意したものとみなされる。

●反訴は、その目的である請求が本訴の目的である請求又はこれに対する防御の方法と関連する場合に限り、提起することができる。

<解説>

 被告は、本訴の目的である請求又はこれに対する防御の方法と関連する請求を目的とする場合に限り、口頭弁論の終結に至るまでに、本訴の係属する裁判所に反訴を提起することができる。

●反訴の提起後に本訴が却下された場合でも、反訴の訴訟係属の効果は消滅しない。

<解説>

 本訴と反訴は、訴訟法上は、別個の請求である。また、反訴は、原則として本訴が係属中、すなわち本訴が事実審の口頭弁論終結前でなければ提訴できないが、本訴係属が反訴係属の存続要件であることを定めた規定はない。
 したがって、反訴の提起後に本訴が却下された場合でも、反訴の訴訟係属の効果は消滅しない。

●反訴は、原告の請求が認容されることを条件として予備的に提起するすることができる。

<解説>

 反訴の態様として、本訴の却下又は棄却を解除条件とする反訴(予備的請求)も認められる。原告の請求が認容されることを条件として、すなわち、被告による本訴の却下または棄却の申立てが認容されないことを条件として、予備的に反訴を提起することもできる。この場合には、訴訟手続の安定を損なうとはいえないからである。
 たとえば、原告の売買代金請求の本訴に対して、被告が主位的には売買の無効を主張して、その棄却を求め、予備的に原告の本訴請求が認容されるのであれば、売買目的物の引渡を反訴として提起するような場合である。

●「少額訴訟においても、することができる。」旨の記述は、訴えの変更又は反訴の提起のいずれか一方にのみ該当する。

<解説>

 少額訴訟においては、反訴の提起は許されないとされる。少額訴訟において反訴を認めると、手続が複雑化し、一期日審理の原則に適合しないためである。訴えの変更については、このような制限は無い。
 したがって、訴えの変更についてのみ該当する。

●「事実審の口頭弁論の終結に至るまで、することができる。」旨の記述は、訴えの変更及び反訴の提起に該当する。

<解説>

 訴えの変更は、事実審の口頭弁論終結時までにしなければならない。訴えの変更は、新訴の提起としての実質を有するからである。また、反訴も、本訴の事実審の口頭弁論終結時までにしなければならない。被告が新たな請求を定立するものだからである。

●「訴訟手続を著しく遅滞させることとなるときは、することができない。」旨の記述は、訴えの変更及び反訴の提起に該当する。

<解説>

 訴えの変更も、反訴も、著しく訴訟手続を遅滞させることとなるときは、することができない。訴訟遅延防止のためである。

つづく・・・
タグ:民事訴訟法
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